カリフラワー 花菜類

カリフラワーはブロッコリー同様に、肥大した花蕾を食べるアブラナ科の野菜。ブロッコリーが突然変異で白くなったとも言われています。

原産地は地中海沿岸地域で、日本へは明治初期に入ってきましたが、栽培が一般化したのは第二次世界大戦後です。クセのない味で、サラダやスープ、シチューなど調理法は様々。茹でるとホクホクとした歯ごたえがあり、ほのかな甘みが広がります。白い花蕾以外にもムラサキ色やオレンジ色などカラフルな物も多く、品種選びも楽しみのひとつです。

植え付け後、70日ほどで収穫できる早生種の「スノークライン」は耐病性があり、栽培しやすい定番品種。花蕾も緻密でよくしまっていておいしく食べられます。有色品種は花蕾がオレンジ色の「オレンジブーケ」、ムラサキ色の「バイオレットクイン」など。

栽培カレンダー

時期の色分け:植え付けの時期追肥の時期収穫の時期
カリフラワーの栽培カレンダー
地域の色分けについて
温暖地沖縄・九州・四国
中間地中国・近畿・中部・関東
寒冷地北陸・東北・北海道

上記の地域区分は目安としてお考え下さい。
標高や地形、年次変動によって同一地域でも気候条件が変動します。
お住まいの地域に合わせて栽培して下さい。

カリフラワーを作るのに必要な資材
  • 苦土石灰
    苦土石灰
  • 完熟牛ふん堆肥
    完熟牛ふん堆肥
  • 化成肥料
    化成肥料
  • 防虫ネット
    防虫ネット

カリフラワーを育てるコツ

株を大きく育てれば花蕾も大きくなるので、株間を広めに取り、元肥や追肥で肥料分を補うことが重要です。花蕾が見え始めたところに外葉を折って遮光すると、真っ白できれいな花蕾が収穫可能。苗の段階では高温に強いですが、蕾の肥大期には暑さに弱くなり、生育適温は20度前後と冷涼な気候を好みますので、栽培は真夏を除いた春と秋が適期。

葉は害虫の被害にあいやすいため、植え付け直後に防虫ネットをトンネルがけしましょう。株がトンネルの高さまで成長したら、ネットを外します。

カリフラワーの植え付け

植え付けは、アブラナ科の連作を避けて場所を準備。植え付けの2週間前に苦土石灰(くどせっかい)100g/㎡を散布し、よく耕しましょう。

植え付けの1週間前に、畝幅60~70cmとし、中央に深さ20cmの溝を作って、堆肥(たいひ)を2kg/㎡、化成肥料200g/㎡をまき、土を戻します。

植え付け当日は、平畝(ひらうね)を作り、株間40~45cmを取って植え穴を掘り、土が乾いていたら、たっぷりと水を注いでから植え付けましょう。

カリフラワーの管理

追 肥

花蕾が形成される前に、いかに株を大きくするかで花蕾の大きさが決まります。植え付け後の追肥・土寄せが重要で、植え付けの2週間後から2週間に1回、化成肥料30g/㎡を菜9、土寄せをしましょう。

外葉折り

花蕾が白い品種は、真っ白でやわらかい花蕾を収穫するため、外葉を折って遮光しましょう。花蕾が見え始めたら、外葉を3~4枚折って花蕾をすっぽりと覆います。

水やり

乾燥が激しい場合のみたっぷりと水やりします。

除 草

雑草や枯れ葉は病害虫の温床になりやすいため、見つけたら取り除きましょう。

カリフラワーの収穫

植え付け後、70~120日後が収穫の目安。花蕾の直径が15cmほどに成長したら、花蕾の下を包丁などで切り取って収穫します。
収穫後は余分な葉を切り取りましょう。1株にひとつの花蕾ができるので、収穫は1株1回のみです。

カリフラワー

カリフラワーの病害虫

カリフラワーで気を付けたいのは、ブロッコリー同様に「ヨトウムシ」。葉が食害に遭うので見つけたら捕殺しましょう。その他に「アオムシ」「アブラムシ」「コナガ」などに注意が必要です。

ヨトウムシ

卵が葉裏に産み付けられ、ふ化直後は群棲して葉肉部を食害。成長するにしたがって分散し、昼間は茂みや土中に隠れていますが、夜間になると勢いよく葉をかじり食べ尽くしてしまいます。ふ化直後、葉裏に群棲しているときに捕獲して取り除きましょう。

アオムシ

モンシロチョウの幼虫で、体長1~3cmの緑色の虫。葉物野菜を食害し、大小様々な穴をあけます。成虫が葉裏に産卵するので、被覆資材をかけたり薬剤を散布したりすることが効果的です。見つけ次第、捕獲して取り除きましょう。

アブラムシ

コマツナ、チンゲンサイ、ハクサイ、キャベツ、ダイコンなどアブラナ科の野菜に発生しやすい害虫。新芽や葉に群生して汁を吸い、ウイルス病を媒介します。見つけたら捕獲して取り除きましょう。

コナガ

体長5~10mmの、黄緑色をした蛾の幼虫。ふ化して20日あまりで成虫になりますが、葉の裏側の葉肉のみを食害し、半透明の食害痕を残します。見つけ次第捕殺するか、水をかけて溺死させる、薬剤を散布するなど早めに対策しましょう。

栄養価

カリフラワーには嬉しい栄養素がたくさん含まれており、免疫力を高める代表的な栄養素ビタミンAや、風邪の予防にいいと言われているビタミンCなどを含有。カリフラワーのビタミンCは熱に強いと言う特長があり、蕾の部分よりも茎に多く含まれています。茎はかたくて短いのであまり食用には向いていませんが、ビタミンCには美白効果もあると言われていますので、やわらかく茹でたり蒸したりして、茎もなるべく一緒に摂りましょう。
また、カリフラワーには「MATS(メチルアリルトリスルフィド)」と言う物質が含まれ強い抗酸化作用を持っており、脳卒中や心臓病の原因となる動脈硬化や血栓を予防。それ以外にも、コレステロールが体内に吸収されるのを防ぐ「フィトステロール」、辛味成分である「アリルイソチオシアネート」などにも同様の働きがあると言われています。

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