ゴーヤ 果菜類

ゴーヤゴーヤと言えば沖縄の野菜の代表格。以前は沖縄、鹿児島にしか浸透していませんでしたが、朝の連続ドラマで紹介されて以来、全国の食卓に並ぶようになりました。ゴーヤを使ったお馴染みの料理と言えばゴーヤチャンプル。これはゴーヤと豆腐を取り合わせた料理で、独特の苦味がクセになる味わいです。
他にもサラダや漬物にしてもおいしく食べられます。このように様々な料理に利用できるゴーヤは、病害に強いため園芸初心者でも気軽に挑戦できる野菜。今回は簡単な育苗(ポットに種をまいて、ある程度の大きさになったら植え替えすること)で栽培する方法を紹介します。

栽培カレンダー

時期の色分け:種蒔き等の時期追肥の時期収穫の時期
ゴーヤの栽培カレンダー
地域の色分けについて
温暖地沖縄・九州・四国
中間地中国・近畿・中部・関東
寒冷地北陸・東北・北海道

上記の地域区分は目安としてお考え下さい。
標高や地形、年次変動によって同一地域でも気候条件が変動します。
お住まいの地域に合わせて栽培して下さい。

ゴーヤを作るのに必要な資材
  • 苦土石灰
    苦土石灰
  • 完熟牛ふん堆肥
    完熟牛ふん堆肥
  • 化成肥料
    化成肥料
  • 黒マルチ(農業用フィルム)
    黒マルチ
    (農業用フィルム)
  • 支柱と麻ひも
    支柱と麻ひも
  • 園芸用ネット
    園芸用ネット

ゴーヤを育てるコツ

ゴーヤの種は硬実種子(固い殻で覆われていて、透水性の低い種)なので、植え付け前には工夫が必要。種のとがっている部分を爪切りなどで切る、または植え付けの前日に一晩の間、水に浸しておく、といった方法で発芽率が上がります。

ゴーヤの種蒔き・植え付け

4~5月頃に育苗用のポットに土を入れて、穴を1~2cm掘り、種をまいて(爪切りなどで切った部分を下に)土を埋め戻します。ポットに保温カバーを被せて、屋内の暖かい(25℃前後)場所に置いておきます。苗は直射日光には弱いので、日差しが届かないように注意が必要。10~20日ほどで苗が発芽したら、次は土作りの準備です。

植え付けの2週間前に、100g/㎡の苦土石灰を土に混ぜ、よく耕します。1週間前になったら、完熟牛ふん堆肥2kg/㎡、化成肥料350g/㎡をまいて、幅が約60cmの畝を作りましょう。植え付け当日は、畝に株間50cmで植え穴を開けて、ポットの苗を植え替え。苗から10~15cm離れた位置に、長さ210~240cmの支柱を50cm間隔で立てて、園芸用のネットを設置します。

ゴーヤの管理

適 芯

ゴーヤは親づる(発芽して初めに出てくるつる)には雌花が咲きません。そのため、植え付け50日後を目安に、親づるの高さが支柱を超えたら先端を適芯して、子づるを伸ばして支柱に誘引しましょう。

追 肥

植え付けの2週間後から1~2週間ごとに、30g/㎡の化成肥料を追肥します。マルチが張ってある場合は一度はがして追肥し、中耕後、マルチをもとに戻しましょう。

水やり

ゴーヤは葉から水分が水蒸気になってしまうことが多いため、水やりが重要です。土が乾燥してきたらたっぷりと水をかけましょう。特に夏は朝夕2回の水やりが必須です。

除 草

雑草や枯れ葉は病害虫の温床になりやすいため、見つけたら取り除きましょう。マルチを張ると、太陽熱で消毒され雑草や害虫の繁殖を未然に防止できます。

ゴーヤの収穫

収穫の目安は植え付けから約2ヵ月後。
実の緑色が濃くなってきて艶が出てきたら、採り頃のサインです。
なお、夕方は実の水分が少なくなっているので、朝方に収穫しましょう。

ゴーヤの病害虫

うどんこ病

うどん粉をまいたような白色のカビが葉や茎に円形に生え、次第に全体に広がります。光合成が阻害される他、葉の養分が吸収されて生育不良になり、花が咲かない、果実が肥大しないなどの害があるため、発生初期に薬剤を散布して対策しましょう。また、窒素過多がうどんこ病の原因になるので、肥料を与えるときは注意が必要です。

うどんこ病
べと病

葉に淡黄色をした小さな斑点ができ、放っておくと葉裏にカビが生えます。これは、高温期に発生し多湿で勢いを増す病気です。農薬で対策する場合は、葉の裏表にまんべんなく散布しましょう。

べと病
アブラムシ

新芽や葉に集団で寄生して吸引する害虫で、ウイルス病を媒介する場合もあります。水をかけて洗い流すか、発生初期に殺虫殺菌剤や殺虫剤を散布して駆除しましょう。発生前に不織布などで株を覆うことでも対策可能です。

栄養価

沖縄では夏になると盛んにゴーヤが食べられます。これは、暑いときに食べると元気が出ると言われているからです。
ゴーヤには、ビタミンC、ビタミンB1・B2、葉酸、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維などの栄養価が豊富に含まれていますが、夏に最も効果を発揮するのはモモシルデン。この成分は胃液の分泌を促進する働きがあるので、夏バテによる食欲減退に効くと言われます。

しかし、ゴーヤの持つ苦味は独特なので、好き嫌いが分かれるのが難点。
そこで、このクセの強い味がどうしても苦手という人に、おすすめの食べ方を紹介します。
それは、旨味の強い食材や油といっしょに食べる方法です。
こうすると苦味が和らぐので、ゴーヤが苦手な人は一度、試してみましょう。

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