パセリと並び、セリ科植物を代表する野菜のひとつ。独特の香りが特徴で、清涼感があり、吸い込むとさわやかな気分になれます。香りの良いセロリは、料理を引き立てるのに効果抜群。パスタやスープ、野菜炒めの具に使えば、仕上がりのおいしさをワンランクアップさせてくれます。
そんなセロリは種から育てるのは少し難易度が高め。種が非常に繊細で、土が乾きすぎても湿りすぎてもうまく発芽せず、最適な土の状態を保つのに慣れが必要だからです。そこで、今回はホームセンターや園芸店で苗を購入して育てる方法をご紹介します。この方法なら園芸初心者でも失敗が少ないため、気軽にトライしてみましょう。

- 温暖地沖縄・九州・四国
- 中間地中国・近畿・中部・関東
- 寒冷地北陸・東北・北海道
※上記の地域区分は目安としてお考え下さい。
標高や地形、年次変動によって同一地域でも気候条件が変動します。
お住まいの地域に合わせて栽培して下さい。
セロリを作るのに必要な資材
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苦土石灰 -
完熟牛ふん堆肥 -
化成肥料
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黒マルチ
(農業用フィルム) -
敷きワラ
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セロリを育てるコツ
発芽後のセロリは、水分を多めに与えて乾燥から守りましょう。
敷きワラで畝の表面を覆って、乾燥しにくい環境を整えるのも有効です。
なお、乾燥しやすい夏場は特に多めに水を与えます。
セロリの植え付け
植え付け一週間前に、100~150g/㎡の苦土石灰、2kg/㎡の堆肥、100g/㎡の化成肥料をまいてよく耕し、幅60cmの畝を立てましょう。植え付け当日、まずは畝にマルチを張ります。マルチの代わりに、株元に敷きワラをかぶせても大丈夫です。
次に、株間30cmで植え穴を開け、水をたっぷり穴に注ぎましょう。
水が引いたら、苗をポットから取り出して穴に植え替え、株元を軽く押さえます。
セロリの管理
- 追 肥
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苗の植え付けから2週間経ったら、最初の追肥のタイミングです。マルチの1穴当たり3~4g/㎡の化成肥料を施します。敷きワラの場合は、30g/㎡の化成肥料をワラの上からまきましょう。それ以降も2週間に1回、同量の追肥を行ないます。
- 土寄せ
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株元にマルチや敷きワラをかぶせていない場合は、追肥後に肥料と土を混ぜて耕し、株元へ寄せておきましょう。
- 水やり
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発芽後のセロリは水やりを多めにします。ただ、あまり多湿過ぎるのも生育に悪いので、土の状態をよく確認しましょう。
セロリの収穫
草丈が40~50cmになった頃が収穫適期です。地際から包丁などで切り取りましょう。やわらかい葉が欲しいときは、草丈30cmほどで収穫します。
なお、収穫が遅れると、すが入る(内部に亀裂が入ること)こともあるので注意が必要です。

セロリの病害虫
- キアゲハ
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アゲハチョウの仲間で、主に葉を食害する害虫。その見た目は、幼虫の頃は鳥のフンに似ていて、成熟幼虫になると黒字に橙色の小斑点が目印となります。見つけたら必ず駆除しましょう。
- アブラムシ
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新芽や葉に集団で寄生して吸引する害虫で、ウィルス病を媒介する場合もあります。水をかけて洗い流すか、発生初期に殺虫殺菌剤や殺虫剤を散布して駆除しましょう。発生前に不織布などで株を覆うことでも対策可能です。
- 軟腐(なんぷ)病
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主に細菌が原因で発生する病気。発病すると茎の生えぎわに暗褐色の病斑が出て、地上部はしおれ、地際も腐って溶けたようになります。窒素成分が過剰だと発生傾向が高くなる他、折れた葉や害虫による傷からも感染します。対策は、侵入口となる傷を作らないよう密植を避けたり、傷口ができても乾きやすい天気の良い日に芽かきなどの作業を行なったりすることです。
栄養価
セロリには、ビタミンC、ミネラル、食物繊維といった栄養素が豊富に含まれています。ビタミンCやミネラルは、新陳代謝促進や免疫力向上に効果的。食物繊維は、便秘の改善や血糖値の抑制といった働きを持っています。また、特有の香りのもとである精油成分「アピイン」は、食欲増進やストレス解消などに効果があるとされています。
調理では、茎が使われることの多いセロリ。実は茎だけでなく、葉にも捨ててしまうにはもったいないほどの栄養価が含まれています。例えば、葉に含まれるβ-カロテンの量は、茎のおよそ2倍。葉もスープに入れる、炒めるなどして上手に活用し、栄養を余すところなく摂取しましょう。