長ネギ 茎菜類

長ネギは、中央アジア原産のユリ科の多年草。甘みと独特の風味があり、滋養たっぷりの秋冬野菜としてお馴染みです。中国料理の炒め物や和食の鍋物など、幅広い料理に使われ、薬味としても重宝されています。タネから育てる方法や、春に苗を植え付ける方法もありますが、家庭菜園初心者には、とう立ちや病害虫の心配が少ない夏の植え付けがおすすめ。栽培期間も短く、最も手軽に収穫ができます。

長ネギ栽培では、「葉鞘部」と呼ばれる白い部分をいかに長く太く育てられるかがポイント。こまめな追肥と土寄せを正しく行ない、白い部分がすらりと長いネギを目指しましょう。

栽培カレンダー

時期の色分け:植え付けの時期追肥の時期収穫の時期
長ネギの栽培カレンダー
地域の色分けについて
温暖地沖縄・九州・四国
中間地中国・近畿・中部・関東
寒冷地北陸・東北・北海道

上記の地域区分は目安としてお考え下さい。
標高や地形、年次変動によって同一地域でも気候条件が変動します。
お住まいの地域に合わせて栽培して下さい。

長ネギを作るのに必要な資材
  • 間縄
    間縄
  • ワラ
    ワラ
  • 化成肥料
    化成肥料

長ネギを育てるコツ

長ネギの白い部分は、光を遮ることで作られます。
白い部分を長く太く育てるため、あらかじめ深さ約30cmの溝を掘って苗を植え付けましょう。
最初は手間がかかりますが、溝の中に植え付けることで土寄せの作業がしやすくなるというメリットがあります。

長ネギの植え付け

夏植えの苗の植え付け適期は、6~7月。根もとの太さが1cm、葉鞘部がまっすぐで葉の緑色が濃い苗を選びましょう。同じくらいの太さの物を隣どうしに植え付けると、生育が揃います。植え付けてしばらくは肥料分を必要としないため、事前に苦土石灰や元肥を入れる必要はありません。

栽培スペースの中央に間縄を1本張り、間縄に沿ってクワを入れ、幅15~20cm、深さ約30cmの植え溝を掘ります。南側からの日差しが均一にあたるよう、溝の向きは東西方向にしましょう。

掘った土は南側に盛り上げ、溝の底に直接日光があたって根が乾燥するのを防止。
次に、植え溝の北側に5cm間隔で苗を1本ずつ植え付けます。その際、苗をまっすぐ立て、倒れないように根もとにひと握りの土をかけて固定しましょう。

長ネギは根を張るのに多くの酸素を必要とし、土を厚くかぶせてしまうと酸素不足になってしまうので、植え付け後は溝の中に厚さ10~15cmほどのワラを入れます。空気の層ができるワラを入れて根張りを促進させ、根が定着したら土寄せ。植え付け後の水やりは不要です。

長ネギの管理

追肥・土寄せ(1回目)

土寄せは合計4回行ないます。まずは植え付けの2週間後、根が活着したら化成肥料30g/㎡を溝の中にまきましょう。その後、溝の中のワラが隠れるぐらい土をかけます。

追肥・土寄せ(2回目)

2回目の土寄せは1回目の土寄せから1ヵ月後。溝の中に化成肥料30g/㎡をまき、溝がすべて埋まるくらい土寄せします。その際、葉の分岐部を埋めないように注意。以後、月に1回ずつ土寄せを行ないます。葉鞘部は1ヵ月に10cm伸びると言われており、毎月10cmずつ土を盛り上げるようにしましょう。

追肥・土寄せ(3回目・4回目)

畝の両肩に化成肥料30g/㎡をまき、周囲の土を株もとに集めて肥料と混ぜ合わせながら、葉の分岐部の下まで寄せ上げます。気温が低くなると葉はほとんど伸びないので、4回目の土寄せは、葉の分岐部のあたりまでたっぷりと行ないましょう。それ以降も土手が崩れたら適宜土寄せをします。

長ネギの収穫

最終の土寄せから3~4週間後を目安に、太く育った物から順次収穫します。無理に引き抜くと折れたり痛んだりするので注意。まずはクワで土手の南側を少しずつ掘って葉鞘部を露出させ、手でつかんで横に倒すようにしましょう。ネギは寒さに強いので、2月頃まで菜園に植えたまま保存し、必要な分だけ掘り上げて収穫します。「ネギ坊主」と呼ばれる花蕾ができると、とう立ちしてかたくなり味が落ちるため、花蕾が付く前に収穫を終えましょう。

長ネギ

長ネギの病害虫

アブラムシ

春になって暖かくなると発生し、新芽や葉に群生して茎や葉の汁を吸います。生育が悪くなるだけでなく、各種ウイルス病を媒介する場合もあるので、早めの対処が必要。粘着テープを押しあてて取り除くか、発生初期に殺虫殺菌剤や殺虫剤を散布して駆除します。

べと病

カビ菌が原因となる病気の一種。全身感染した株は生育が停止して草丈が低くなり、葉全体が厚みを増して白~黄色に変わります。春~秋に雨が続くと葉の表面に白いカビを生じ、葉が枯れることも。発生した株は除去し、二次伝染を防ぎましょう。

さび病

キノコの仲間によって起こる病気で、葉身に橙黄色の小斑点を多数生じます。夏期が低温多雨の年に多発し、気温が24℃を超える暑い時期には発生が減少。肥料が無くなると発生しやすくなるため、適正に施肥を行ない予防しましょう。発生したら株ごと抜き取って除去します。

えそ条斑病

ネギアザミウマがうつすウイルス病。葉に症状が現れ、進行すると病斑が淡黄~白色となり、組織が死んでしまいます。作物の外周や畝間に大麦などを栽培することで、病気を媒介するネギアザミウマの発生を抑制することが可能。発病した株は感染源となるので除去しましょう。

栄養価

白い葉鞘部にはビタミンC、緑色の部分にはビタミンCに加え、抗酸化作用のあるβ-カロテンやカルシウムなどが豊富に含まれています。白い葉鞘部より緑の葉の方に栄養が多く、調理を工夫してうまく使い切りましょう。独特の香りは、硫化アリルの一種「アリシン」によるもの。「アリシン」は、疲労回復に役立つビタミンB1の吸収を助け、血行を良くして血液をサラサラにする効果があると言われています。

また、辛味成分には殺菌効果や体を温める効果があるとされ、風邪などで体が弱っているときに意識して食べるといいでしょう。切ったときに出るぬめりの正体は、糖質と水溶性食物繊維のペクチンです。甘みと香りが凝縮されているので、残さず味わいましょう。

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多度農園ガーデニングブログ
東建多度カントリークラブ・名古屋にある「多度農園」では、季節の野菜を育てています。ぜひチェックしてみて下さい。