ラディッシュは別名「ハツカダイコン」と呼ばれています。栽培期間は「20日」とまではいきませんが、約30日と非常に短いのが魅力。そのうえ、株が小さくて植え付けに土の深さも必要ないので、栽培は場所を選びません。
収穫したラディッシュはサラダで食べるのが定番です。さわやかな味覚もさることながら、チェリーのように小さくて丸いかわいらしい見た目で食卓を華やかにしてくれます。他にも、ピクルスや浅漬けにしてもおいしいため、まずは気軽に栽培してみましょう。

- 温暖地沖縄・九州・四国
- 中間地中国・近畿・中部・関東
- 寒冷地北陸・東北・北海道
※上記の地域区分は目安としてお考え下さい。
標高や地形、年次変動によって同一地域でも気候条件が変動します。
お住まいの地域に合わせて栽培して下さい。
ラディッシュを作るのに必要な資材
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苦土石灰 -
完熟牛ふん堆肥 -
化成肥料
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防虫ネット -
トンネル用支柱
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ラディッシュを育てるコツ
春蒔きと秋蒔きが一般的で、ダイコンと同じく涼しい気候に向きます。
春蒔きの場合は、害虫対策で防虫ネットをかけましょう。
収穫時は採り遅れると根が割れるため、適期を逃さないように注意が必要です。
ラディッシュの種蒔き
種蒔きの一週間前に、畝を作る予定地に100~150g/㎡の苦土石灰をまいて耕しておきます。種蒔き当日は、3ℓ/㎡の堆肥、100g/㎡の化成肥料をまいてよく耕し、幅約60cmの畝を立てましょう。畝の表面に支柱などを使って、深さ約1cmのまき溝を作ったら種蒔きの準備は完了。条まき(筋状の溝を何列も作る種蒔き方法。すじまきと言います)にする場合は、条間(列の間)は約20cmを目安に。
一列で植えるときは、まき溝に種を約1cm間隔で置いてすじまきにしましょう。このまき方にすると発芽した苗が一列に揃うため、土寄せなどその後の作業が効率的になります。
どちらのまき方をしても、最後にはジョウロでたっぷりと水を与えましょう。
ラディッシュの管理
- 防虫ネット
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春蒔きの場合は、害虫を防虫ネットで予防します。畝をまたぐようにトンネル用の支柱を50~60cm間隔で立て、防虫ネットをかぶせましょう。両端をまとめて留め具で固定し、隙間ができないように土で覆います。さらに、トンネル用の支柱をネットの外側からも渡して押さえれば、風対策は万全です。
- 間引き
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種蒔きから1週間~10日後、双葉が開いたら間引きのタイミング。苗の間隔が3~4cmに広がるように、成長の悪い株、形の悪い株を間引きしましょう。
- 追 肥
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本葉が4~5枚になったら、30g/㎡の化成肥料をまきます。その後も、1週間に1~2回追肥をしましょう。
- 土寄せ
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間引き後は、残した苗が倒れないように根元に軽く土寄せします。追肥後はクワなどで肥料と土を混ぜ合わせて、株元に寄せましょう。
- 水やり
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発芽前は土を乾燥させないように水を上げ、発芽後は土の表面が乾いたときに水を上げましょう。どちらも水の量は多めです。
ラディッシュの収穫
目安は種蒔きから約20日後。根元の直径が2~3cmになったら収穫適期です。葉の付け根の茎を持ち、上に向かって引き抜きます。時期が遅れると、すが入ったり(内部に亀裂ができること)、根が割れたりするので注意が必要。
なお、収穫後に葉を付けたままにしておくのも、すが入る原因になるので、葉は必ず落としましょう。また、1~2週間の間隔を空けて何度も種蒔きをすると、長い期間収穫が楽しめます。
ラディッシュの病害虫
- ネキリムシ
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春~秋にかけて発生し、茎を食害する夜蛾の幼虫の総称。卵からふ化直後は、葉を食害します。成長すると、地際部の茎をかじり、噛み切ってしまうことも。この害虫は、被害植物の周囲を数cm掘り起こすと簡単に見つかるため、すぐに駆除しましょう。薬剤を使う場合は、土に混ぜたり、まいたりすると効果的です。
- アオムシ
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モンシロチョウの幼虫で、体長1~3cmの緑色の虫。葉物野菜の葉を食害し、大小様々な穴を開けます。葉に成虫が産卵するので、そこに被覆資材をかけたり、薬剤を散布したりするのが効果的です。
栄養価
辛味が少なくシャキッとした食感が楽しめるラディッシュ。滋養に優れた野菜で、根と葉にはそれぞれ異なる栄養価が含まれています。
根には消化酵素であるジアスターゼが豊富。この栄養素は胃もたれや胸焼けの改善効果が期待できます。
一方、葉に多く含まれるのは風邪を予防するビタミンC、免疫力アップやアンチエイジングに効果的なβ-カロテン、骨を丈夫にするカルシウムなど。
このようにラディッシュはどこを食べてもヘルシーな野菜。サラダや漬物などに活用して、余すことなく頂きましょう。