お役立ち情報
料理やキッチンに関する豆知識や裏ワザなどをご紹介します。
健康な食生活を始めよう
私たちが普段、漫然と口に運んでいる食べ物を、一度じっくりと考え、見つめ直してみることを提案する、「スローフード」のご提案です。
食についての「考え方」のこと
「スローフード」という言葉は、「ファストフード」への風刺の意味を込めて、1980年代の半ばに生まれました。ただ、「スローフード」は、ファストフードやコンビニの食品を否定しているわけではありません。
食が均一化して個性がなく、また容易に手に入るファストフードなどを胃に流し込むといった、慌しい食事をするケースが多くなった中で、食べることや食べ物を作ることについてもっと考え、見つめ直してみることを提案している言葉が「スローフード」です。
スローフードの思想

1989年に「スローフード協会」が発表した「スローフード宣言」には、以下の事柄がコンセプトとして掲げられています。
- 食材の文化を広め、伝統を維持し学習すること
- 農産物を環境破壊から守ること
- 消費者と良心的な生産者の保護を図ること
- 食についての楽しさや知識、五感を教育し、人とともに食べる喜びを研究し広めること
「スローフード宣言」に掲げられた4つのコンセプトは、「人の体は食によって維持されており、人が生きていく上で食は最も重要な要素である」といった基本思想に基づいて構成されています。
スローフードの広がり

「味覚のレッスン」などを実施
スローフードのコンセプトは、様々な運動や行動となって世界の国々で広く実践されています。
フランスではスローフード運動の一環として、「味覚のレッスン」活動が行なわれています。「味覚のレッスン」は、その地域でできる独自の食材を使った食事を小学校に提供する物です。
また、実際にハーブの臭いを嗅がせて香りを体験させたり、野菜を生のままかじらせたりして、地元の食材をどのように調理したらおいしく食べられ、また体に良いかなどを教えています。
「スローフード」から「スローライフ」へ
スローフード運動は、ゆっくりと昼食を楽しむ習慣のあるイタリアで生まれ、ファストフードに象徴される「より早く」「より手軽に」などといった価値観の見直しを提案してきました。その結果近年では、食事のみならず人生そのものを味わい深くゆったりと楽しもうとする人々が増加しています。
スローフード運動は、単に食べ物についてだけでなく、ライフスタイルにおいても「スローライフ」を提案する運動として進展を見せています。