お役立ち情報
料理やキッチンに関する豆知識や裏ワザなどをご紹介します。
食品のパワー
透き通る桜色が目にも美しい桜エビは、「海の宝石」とも称され、世界的にも静岡県の駿河湾でしか水揚げされない希少なエビです。
栄養価が高く、頭からまるごと摂取できるため、健康に関する様々な効果が期待できます。中でも、コレステロールの低下や血液サラサラ効果など、現代人にうれしい健康パワーが豊富です。

「桜エビ」とは、主に静岡県駿河湾の河口沿岸に生息する深海性のエビのことです。
桜エビは夏に産卵し、1年でその一生を終えます。
漁は春と秋に行なわれ、春漁は3月下旬~6月上旬、秋漁は10月下旬~12月下旬まで行なわれます。
桜エビ漁で有名な静岡県由比町では、水揚げされた桜エビを浜辺で天日干しをする風景が、春の風物詩として親しまれています。
桜エビ漁
明るい昼間や月夜は水深200~300mの場所で生息し、闇夜になると餌となる動物プランクトンを追って水深30~60mの場所まで浮上し、群れをなします。
桜エビ漁は、闇夜に群れが浮上するのを狙って行なわれます。

動脈硬化を予防
桜エビには、血中のコレステロール値を下げ、動脈硬化を予防する「タウリン」が豊富に含まれています。
また、桜エビの赤い色素である「アスタキサンチン」には、抗酸化力があると言われており、動脈硬化や老化の予防などに効果があります。
骨粗しょう症を予防
桜エビの殻や尾には、カルシウムがたっぷりと含まれています。また、桜エビには銅が多く含まれており、この銅には骨を形成する要素のひとつであるコラーゲンを生成する働きがあります。
そのため、桜エビは、骨粗しょう症が気になる方に適した食材と言えます。

血液サラサラ
桜エビには、血液をサラサラにして流れを良くする「EPA(エイコサペンタエン酸)」、「DHA(ドコサヘキサエン酸)」が多く含まれています。
また、EPAとDHAには、脳血栓症の予防やコレステロール値の低下にも効果があると言われています。
便秘を予防
殻には、動物性の食物繊維「キチン」が含まれています。キチンには、ビフィズス菌を増やして腸内環境を良くする働きや、便通を促す働きがあります。
その他にも、コレステロール値を下げる、血圧を下げる、免疫力を高めるなど、様々な健康効果があると言われています。
桜エビは生きている間は透明、水揚げ後しばらくすると、桜の様なピンク色に染まります。
見た目も美しく、しかも様々な栄養素が凝縮された桜エビは、調理方法次第でおいしくヘルシーに摂取することができます。
生
桜エビの水揚げの時期は春と秋ですが、冷凍技術の進歩で一年中、生の桜エビが食べられるようになりました。
生のままわさびや生姜醤油で食べるのはもちろん、酢醤油やレモン、大根おろしで和えてもおいしく食べることができます。

- ヒゲを簡単に取る方法
- 生のまま食べる場合など、桜エビのヒゲが気になるときには、水をはったボウルに桜エビを入れて箸でかき回すと、簡単にヒゲを取ることができます。
ただし、桜エビのヒゲには、ガン予防に有効な成分が含まれているため、できるだけヒゲを取り除かずに食べるようにしましょう。
釜揚げ
生の桜エビを熱湯でさっと塩ゆでした物を「釜揚げ」と言い、コクのある味わいが特徴です。大根おろしを和えて食べる他、サラダや茶碗蒸し、炊き込みご飯の具にするのもおすすめです。

素干し
「素干し」とは、新鮮な生の桜エビを天日で干した物のことを言います。生や釜揚げのものと比べて味が濃く、色合いが美しいのが特徴です。
かき揚げにして食べる他、焼きそばやお好み焼き、ちらし寿司・チャーハンの具として使うと風味が増して、より一層おいしく食べられます。
煮干し
「煮干し」とは、釜揚げした桜エビを、さらに天日で干したもので、適度に歯ごたえがあるのが特徴です。
揚げ物やお好み焼きの具として使う他、さっと水洗いしてからぬるま湯に浸し、だし汁として利用するのもおすすめです。
このとき、戻した桜エビは、炒め物や煮付けなどに使うことができます。
相性の良い食材
- 柑橘類・お酢
- 桜エビには、カルシウム・銅・マグネシウムなどのミネラルがたっぷり含まれています。
ミネラルの吸収を促進する働きがある「クエン酸」と組み合わせると、効果的に摂取することができます。
生の桜エビやかき揚げに、レモンなどの柑橘類をギュッと搾ったり、三杯酢やちらし寿司にしてお酢と合わせると良いでしょう。

- 青菜・レバー・あさり
- 桜エビには、赤血球中のヘモグロビンの合成を助け、鉄分を吸収しやすくする働きがある「銅」が豊富に含まれています。
貧血が気になる方は、青菜やレバー・あさりなど、鉄分を多く含む食品と組み合わせて、日ごろの食生活に取り入れると良いでしょう。