お役立ち情報
料理やキッチンに関する豆知識や裏ワザなどをご紹介します。
全国の郷土料理
日本には、各地に伝わる様々な料理があります。そこには、「特産物をさらにおいしく食べたい」、「冬の厳しさを少しでも和らげたい」、「限られた食材を無駄なく食べたい」など、先人たちの見事な工夫と食に対する強い思いが詰まっています。
ここでは、昔から大切に育まれ、愛されてきた郷土料理の数々をご紹介します。

【静岡県】 麦とろご飯
麦飯の上に、すりおろした自然薯とだしをかけて食べます。
全国に広まっている料理ですが、静岡県駿河区・丸子の鞠子宿の物が最も有名です。歌川広重の東海道五十三次や、十返舎一九の東海道中膝栗毛にも描かれており、松尾芭蕉も「梅若菜 丸子の宿の とろろ汁」と詠んでいます。
とろろは食物繊維が豊富で、整腸作用が促され、糖尿病予防やダイエットに効果的と言われています。

【愛知県】 きしめん
薄くて平たい麺料理で、油揚げやかつお節、青菜などを乗せて食べます。一般的なうどんよりゆであがる時間が短いのが特長です。
今では名古屋名物として有名ですが、元々は三河国・芋川(いもかわ)地区の特産品だった物で、江戸初期の文書では「ひもかわうどん」が起源か、と記されています。
語源には、きじ肉を麺の材料にしていたという説、紀州の者が作ったという説、元来は中国の碁石の形をしていたという説があります。

【岐阜県】 けいちゃん焼き
大正時代、政府の意向で羊肉の消費が強化されました。北海道ではジンギスカンとして普及しましたが、羊肉はなじみにくく、全国的にはほとんど消費されませんでした。そんな中、飛騨地方では調理法のみを真似て鶏肉を使い「けいちゃん焼き」として根付きました。
焼き方はジンギスカンと同じで、鉄板(山状の物)やフライパンを使い、しょうゆと味噌ベースのたれに漬け込んだ鶏肉と、タマネギやキャベツと一緒に焼くという物です。

【三重県】 焼き蛤
桑名市周辺は、交通の要所として栄えました。この地は木曽三川に近く、淡水と海水が入り混じることから良質の貝が豊富に獲れます。その貝を焼いて旅人などにふるまっているうち、全国に知れ渡るようになりました。中でも焼き蛤は「その手は桑名の焼き蛤」と揶揄される程親しまれています。
蛤の殻は、二枚のうちどちらかを外すと他の殻とは絶対に合わないため、結婚のお祝いにも欠かせない料理となっています。