こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国では、健康志向、いわゆるウェルビーイングブームが数年前から続いています。
そんな流れから、今、「精進料理」が注目されています。
精進料理は寺刹(サチャル)料理とも言い、もともとはお坊さんための食事ですよね。
仏教思想が根付いていた高麗時代(918〜1392年)、肉食が禁止されていました。この時代に出た書籍「山家清供」が、精進料理の源流になったと言われています。
精進料理は基本的に肉・海鮮・乳製品を使用せず野菜が中心です。
ただし、野菜の中でも「五辛菜(オシンチェ)」と言って、ニンニク、ネギ、ニラ、ヒメニラ、蔓穂(ツルボ)は、香りが強く滋養強壮に良いので使いません
五辛菜は元気になり過ぎて邪念を抱くため、修行中の身には不要とされていたのです。
韓国料理は、ヤンニョムと言って「合わせ調味料」が味の決め手になります。そこには必ずと言って良い程、長ネギ、ニンニクを使います。その一方で精進料理は「何」でおいしさを出すと思いますか?
それは、しょうゆ、みそ、コチュジャンなどで、手作りした調味料です。それらを駆使して精進料理をおいしく仕上げます。
一般的な韓国料理よりも、素材の味が前面に出ているんですね。
また、もうひとつ面白い点は、豆を肉に見立てて調理すること。
私自身、二度程、豆を使った精進料理を食べたことがありますが、お肉と錯覚しそうな程食感が似ています
韓国にはお坊さんがプロデュースするお店があり、テレビでも話題になりました。
優しい味の精進料理を口にしたら、韓国料理の奥行きを感じられると思います
それでは、本日のレシピ「サツマイモと干しシイタケの炊き込みご飯」をご紹介します。サツマイも干しシイタケも、精進料理ではよく使用する食材です。
今回はニンニクを使わずに作りましたが、お好みでシイタケの下味にニンニクを入れても構いません。