こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
旅行の目的は人それぞれあると思いますが、「旅先でしか味わえないおいしい物を食べるぞ!」という目的を持っている方は多いのではないでしょうか
私は20年以上前から度々韓国へ旅行していますが、料理研究家という職業柄もあって、食事だけは簡単に済ませたくなく、おいしい物を探すアンテナを常に張り巡らせています。
これだけ長きにわたってひとつの国を訪れ、おいしい物を探していると、その時々で「食の流行」を目の当たりにする機会もあります。
今、韓国では日本の飲食店がどんどん進出しており、カジュアルな和食が浸透しつつあります。
その一方で、パン屋さんが急増し、パン食もブームになっています
パン食ブームのきっかけは、2010年にパン屋さんを舞台にしたドラマが放送され、韓国で大ヒットしたことにあります。
なんと最終回の視聴率は50%以上だったとか
ドラマの中で使われたファッションが流行するなど、社会現象を巻き起したそうです。
このドラマは、複雑な家庭環境で育った異母兄弟が、パンを作る技術を競い合い、会社の後継者争いや愛憎劇を繰り広げるというもので、目が離せないストーリー展開で人気でした
ドラマをきっかけに製パン会社が昔ながらのパン(70〜80年代に流行)を再現した結果、老若男女に受け入れられブームに。
街のパン屋さんが活気付いていることに、少なからず影響を与えたのではないでしょうか
韓国でも、昔からパン屋は存在しており、統治時代には日本から持ち込まれた製法の菓子パンなどが市場で売られていました。
しかし、パンの種類もお店も今程多くありませんでした。
この当時のパンは甘い物が中心で、どちらかというとケーキのような存在だったようです。
今でも韓国のパンは、食事というよりは、おやつとして食べるという人が多く、ケーキを一緒に売っているパン屋さんが多くあります。
以前、朝食にと屋台のホットサンドを食べたところ、想像以上に甘味を感じて驚いたことがあります
1980年代の後半になるとベーカリーチェーン店が登場し、韓国の人にとってもパン屋さんがより身近になります。
中には海外進出する企業もあり、韓国の経済成長と共に製パン業界も盛り上がりを見せました。
昔ながらのパンが見直される一方で、ここ数年は日本や欧米でパン作りの技術を磨いた人たちが、母国の韓国でお店を開くようになり、外国人の口にも合うパンが作られるようになりました。
街の様子は止まることなく変化しています。
日本と同様、韓国でも食が多様化してきました。
機会があったら、韓国を旅行中に一度パン屋さんへ足を運んでみて下さいね
韓国でしか味わえないパンも数多くありますので、お気に入りのパンが見つかるかも知れませんよ
それでは、本日のレシピは「ハニーマスタードサンド」をご紹介します。
おやつ感覚で食べる、韓国テイストの甘いホットサンドです!
ハチミツの甘味とマスタードの辛味が絶妙で、くせになる味です。
ぜひお試し下さい