こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
11月7日、韓国で初めての「ミシュランガイド・ソウル2017」が発表されました。
このガイドブックは、フランスのタイヤメーカーであるミシュランが各都市にあるレストランの料理を調査してその評価をまとめたもので、日本では「東京版」がお馴染みですよね
ソウル版ミシュランガイドが発刊されることで、「ソウルのレストランもやっと世界的に評価された」と、韓食業界は沸き立ちました
この度三つ星に選出されたのは、新羅(シイラ)ホテルが運営する「羅宴(ラヨン)」と、有名食器メーカーの広州窯(クァンジュヨウ)が運営する「花音(カオン)」です。
私は両店ともにまだ足を運んだことがありませんが、話を聞いた限り、どちらも韓国伝統の料理をベースにモダンな要素を取り入れた料理を提供しているそうです。
また特徴的なのは、その盛り付け方です
ひと昔前の韓国料理は、小さめの器にたくさんの料理を盛り付けるのが主流で、それを大人数でシェアするのが当たり前でした。
もちろんそのスタイルは現在でも受け継がれていますが、ここ最近は、大きな器に料理を少なめに盛り付け、一人前ずつ出されるようなコース形式が増えています。
羅宴も花音も伝統を受け継ぎながら、新しい盛り付けのスタイルを取り入れているようです。
中でも花音は、料理を盛り付ける食器にもこだわっており、経営元の広州窯の食器を使用しているのだとか。
私は広州窯の食器が好きで、少しずつ買い揃えて使っているので、料理を引き立てる器の素晴らしさは想像できます
二つ星や一つ星評価のお店には、私が訪れたことのあるお店もありました。
喜ばしいことに、伝統的な韓国料理店が選ばれている一方、創作料理のお店も数多く選ばれています
外国で修行したのち、韓国でレストランを開くシェフが増えたことで、料理に使用する食材や見せ方もどんどん変わってきました
例えば、韓国では少し前までサーモンは高級魚として扱われており、一般的な食材ではありませんでした。
しかし、最近はスモークサーモンを使った料理が増えてきた印象があります
また、エディブルフラワー(食用花)も料理を彩る飾りとしてよく使われるようになりました。
伝統的な韓国料理の飾りは、卵の黄身と白身で作る錦糸卵、赤と青(緑)の唐辛子が主流でしたが、徐々にエディブルフラワーなどの洋風のものも増えてきたのです。
数年前から、韓食業界では「韓国料理の世界化」をスローガンとして掲げていますが、まだ成し遂げられていないのが現状です。
韓国料理を世界化へと押し上げる動きの中で、創作料理に否定的な方もいらっしゃいますが、韓国料理を広めるための創作料理は、私はありだと思っています。
ただ目新しいだけでなく、伝統を知った上で創作料理を作ることが大切ですね。
外国で学んだ韓国人シェフたちの新しい発想で、韓国料理の裾野が広がり、グローバル化へと発展することでしょう
これから韓国料理がどんな風に発展していくのか、私も楽しみながら見守りたいと思います
それでは、本日のレシピをご紹介します。
チヂミをピザ風に仕立てた、ちょっぴり創作料理の「サラダチヂミ」です。
サラダ感覚で頂けるさっぱりした味わいですので、ぜひお試し下さい