2016年6月の記事
こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです。
みなさんは未病という言葉をご存じでしょうか?
これは東洋医学の病理概念で、病気という程ではないけれど、健康でもない状態のことを言います。
手足が冷える、体がむくむ、なんとなくだるい、疲れやすいなどちょっとした体の不調と捉えるといいかもしれません。
薬やお医者さんに頼る程でもない、ちょっとした不調を改善する方法のひとつが食養生です。
食養生を簡単に言うと、食物が持つ効能を調べ、自身の体調に合わせた食材で作った食事を摂り、体の内側から元気な状態にすることです
日本には四季があり、その季節の特徴に合わせた食養生を心がけると、じめじめとした梅雨や暑さの厳しい夏も元気に乗り切ることができます
例えば雨が降ると、急な気温の変化により冷えて風邪をひく、体が重くてだるい、頭痛がするなど体調を崩して気分がすっきりしないことがあります
また、梅雨時は暑い割りに湿度が高く、汗をかきにくい状態になるため、体の中に取り込んだ水分を十分に排水できず、水分代謝が落ちやすい時期です。
この時期の食養生のポイントは、体を冷やし過ぎないようにすることと、水分代謝を良くすることです。
東洋医学では生野菜は体を冷やすと言われています。
夏野菜が多く出回る時期ですが、サラダなど生食だけでなく、加熱調理をした野菜の摂取を心がけましょう。
他にも、水分代謝を促す食材(ハト麦、小豆など)、脾(ひ)の機能を高める食材(さやいんげん、そら豆など)、気(元気)を補う食材(もち米など)を摂ると良いでしょう
暑さでのどが渇くと、冷たい飲み物を飲みたくなりますよね
しかし、たくさん冷たい物を飲むと体が冷え、内臓に負担をかけますので注意して下さい
夏でもたまには温かい飲み物を摂って、胃腸を労わりましょう。
おすすめは、ウーロン茶に乾煎りしたハト麦を加えた「ハト麦ウーロン茶」です
ウーロン茶の香りにはリラックス効果があり、ハト麦には水分代謝を上げる効果があるとされています。
どの季節にも共通することですが、バランスの良い食事を摂ることが食養生の基本です。
それに加えて、季節に合わせた旬の食材を取り入れても良いでしょう
今回ご紹介した食材以外にも、体の調子を整える物はたくさんありますので、自分の体に合う物を探してみて下さいね
それでは、今回のレシピは「板麩のビビンバ丼」をご紹介します。
加熱調理した野菜がたっぷり摂れる丼物です。
植物性のタンパク源である板麩を使ったり、雑穀入りのご飯にしたりとヘルシーさにこだわりました。
ぜひ、お試し下さい
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
「料理のレパートリーを増やしたい!けれど、どうすれば良いの?」というお悩みをよく聞きます。
これは料理をする人なら、一度はぶつかる悩みではないでしょうか
解決方法はいろいろあると思いますが、私がおすすめしているのは「今できる料理をアレンジする」方法です
ゼロからレシピを覚えるのではなく、自分が作れる料理をベースに足し算や引き算、掛け算などのアレンジをすることで、難しく感じず身に付きやすくなります。
「小松菜の白和え」をレパートリーに増やしたいときを例に取ってみましょう!
もし「ほうれん草のゴマ和え」が作れるならば、このように置き換えて考えられます。ほうれん草→小松菜に変更
ゴマ和え→すりゴマをねりゴマに変更+水気を切った豆腐を追加
すると、例え白和えを作るのが初めてだとしても、自分の作れる料理(ほうれん草のゴマ和え)をアレンジすれば簡単に作れることに気付きます。
この考え方は、私がよく質問を受けるお弁当のおかず作りにも応用できます!
お弁当の定番おかずである卵焼きですが、アレンジと言えば甘いかしょっぱいか、味付けを変えることになりがちです。
しかし、卵に調味料を加えて味を変化させるだけでなく、食材を「混ぜる」というひとつのアクションで味や色合いのバリエーションが一気に広がります
では、卵焼きをおいしくアレンジするには、具体的に何を混ぜたら良いでしょうか。
そのヒントは、「卵かけご飯」にあります。
卵かけご飯に混ぜておいしい物は、卵にもご飯にも合うので、お弁当のおかずにできる物が多いです。
ただ、お弁当のおかずに加熱していない食材は入れられませんので、注意が必要です
混ぜる食材は、卵に混ぜやすい形状である、火を通しても味に変化がないなど、お弁当のおかずとしての条件をクリアしているかを見極めましょう。
卵料理はアレンジしやすいので、さらにレパートリーを広げたいと思ったら、世界の卵料理を参考にするのも良いですね。
●スパニッシュオムレツに入っているジャガイモなど大きな具。
●キッシュのフィリングに入っているハムやパセリ、チーズ。
●アジア圏のオムレツに入っている香草や唐辛子。
例を挙げるだけでも様々な食材があり、新たなおいしさとの出会いも期待できます。
調理法や主な材料はそのままに、ほんの少しのアレンジで気軽にレパートリーを広げてみましょう。
案外簡単に、とっておきのレシピが生まれるかも知れませんよ
さて今回は、「ナスのスクランブルエッグ」をご紹介します。
ペルシャ料理に、焼きナスとトマトを入れた卵料理があり、これを手軽に作れるようにアレンジした物です。
簡単に作れておいしいので、我が家では定番料理のひとつになっています。
ぜひお試し下さいね
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
いつ起こるか分からない自然災害に備えて、備蓄しておくと便利な物のひとつに「食品用ラップ」があります。
災害時には食器にラップを敷いて使用し、食べ終えたらラップを捨てれば良いので、食器を洗う水を節約できるという点で重宝するようです。
今回のブログは、食品の保存だけではなく、様々な場面で役立つ「食品用ラップの豆知識」をご紹介します
まず「食品用ラップ」の正式名称をご存じでしょうか?
「○○ラップ」と商品名で呼ばれることが多いですが、正式名称は「食品包装用ラップフィルム」です。
食品包装用ラップフィルムは、製品によって素材が異なります。ポリ塩化ビニリデン
ポリエチレン
主に上記2種類の素材から作られています。
ポリ塩化ビニリデン製の物は、ピリッと切り取りやすく伸びにくいので、おにぎりを作るときやサンドイッチを包むときに便利です。
酸素を通しにくい性質なので、食品の酸化を防ぎ、新鮮な状態を保つことができます。
耐熱温度は140℃程で、高温になりやすい電子レンジでの調理に向いています。
ポリエチレン製の物は、引っ張ると伸びる性質があり、酸素を通しやすいので長時間の食品の保存には適しませんが、比較的安価で手に入ります。
耐熱温度は110℃程の物が多く、冷たい物や電子レンジで使わないときに使用するのが良いようです。
つまりラップ製品の違いは、主に原材料の違いなのです
ラップを購入するときは、原材料や耐熱温度を確かめて、用途に合った物を選ぶと良いでしょう
レシピに電子レンジ調理を含むとき、「ラップをして加熱」または「ラップをしないで加熱」と記載されている場合があります。
これは調理に食材の水分を利用するかしないかの違いです。
水分を利用して調理する物は「ラップをして加熱」、水分を飛ばして調理する物は「ラップをしないで加熱」が原則です。
例えば、野菜を電子レンジで蒸すときなどは、野菜から出る水分を利用して蒸すため、ラップをして加熱します。
逆に、揚げ物の再加熱は基本的にラップは使いません。
ラップをして加熱すると、温まった食材から出る水分で衣がべちゃっとしてしまうからです。
また、ラップの箱に「油性の強い食品を直接包んで電子レンジに入れないで下さい」という注意書きがあることをご存じでしょうか?
揚げ物など油分の多い食品は、電子レンジで加熱すると非常に高温になるため、場合によってはラップが溶けてしまうことがあります。
溶解したラップが付いた食品を食べることはおすすめできませんので、くれぐれもご注意下さい
それでは今回は、食品用ラップを利用してご飯でバンズを作る『ライスバーガー』をご紹介します。
バンズのご飯は冷ご飯を使っても
ランチやお弁当にもおすすめのレシピです。
ぜひお試し下さいね!
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
数ヶ月前、研修のために韓国に滞在したとき、昼食に中華料理の出前をお願いしました。
韓国では出前文化が発達していて、その代表的な料理に「韓国スタイルの中華」があります
これは中華料理を、韓国固有の食材を使い韓国人の舌に合うようにアレンジした物です。
中でも一番人気は、八丁みそに近いチュンジャンという甘辛みそを使ったジャージャー麺!
韓国人の国民食と言っても過言ではありません
韓国に中華料理が入ってきたのは、1883年の仁川(インチョン)開港がきっかけと言われています。
開港により諸外国との交流が盛んになり、中国租界(外国人居留地)ができて多くの中国人が仁川に移住しました
それに伴い中華料理が伝わり、徐々に形を変えて韓国人の好みに合わせた中華料理が完成しました。
冒頭に書いたジャージャー麺はその代表です。
ジャージャー麺以外では、唐辛子入りで真っ赤なスープの海鮮チャンポンや、日本でもおなじみの酢豚が大人気です。
酢豚は韓国語で「タンスユク」と言い、漢字で「糖水肉」と書きます。
そもそも酢豚は中国が発祥の料理で、どれ程前から作られていたのか正確には分からないくらい歴史が古いということで、中国語では「古老肉(クーラオロウ)」とも呼ばれています。
ちなみに酢豚にパイナップルが入っているのは、香港などイギリス領だった地域の影響です。
欧米人に受けの良さそうな果物を入れてみたところ、予想外においしかったので定番になったそうです。
近年の酢豚の歴史はというと、1960年代に米不足による粉食奨励(ふんしょくしょうれい)運動が活発になり、調理に粉を使う酢豚に注目が集まります
90年代以降には甘酸っぱい酢豚が人気を博し、韓国における中華料理の代表メニューになります。
韓国の酢豚はカラッと揚げた豚肉に甘酢あんをかけた物が多く、パイナップルを入れている店は少ないようです。
また特徴的なのは、具にキュウリが入っていることが多いことです。
これは韓国のキュウリは日本のものに比べて水分が少なく硬いので、炒め物に適しているからです
韓国の出前やお店では、酢豚は大皿料理として出てくるのが定番です。
大皿料理をおかずに皆でわいわい賑やかに食べると、おいしさが増すように感じますね
機会がありましたら、韓国の酢豚を召し上がってみて下さい。
それでは、本日は「韓国酢豚(タンスユク)」をご紹介致します。
食べ応えのあるトンカツ用の豚肉を二度揚げし、あんにはキュウリを入れます。
酢豚は手間のかかる料理という印象がありますが、下味用のタレやあんの材料などを最初にそれぞれ混ぜておいてから調理にかかると、思ったよりも時間がかかりませんので、ぜひお試し下さい