2015年2月の記事
こんにちは、料理家の野上優佳子です。
先日、北海道出身の友人からおみやげをもらいました
見ると「オランダせんべい」と言う名前。
丸形の、ベルギーワッフルをすごく薄くしたような形で、せんべいと言ってもパリッと割れるわけでなく、しっとりしていて、甘いのです。
形は南部煎餅にも似ていて、初めて頂いたのですがなんとも不思議。
でも素朴でおいしい物でした
その話を仕事の合間の休憩中にしたところ、同席していた山形出身の人が「山形にもオランダせんべいがありますよ」と。
しかしそれは塩味の薄焼きせんべいで、似ても似つかぬ物でした
ちなみに、どちらも名前の由来はよく分からないそうです…
実はオランダと日本は文化の強い絆があります。
200年以上続いた鎖国時代であったときも、オランダとは、西洋で唯一国交を持ち続けていました。
「紅毛文化(コウモウブンカ)」とも称され、コーヒー、ビール
、タルタ(タルト)など、私たちが現代では日常的に使う言葉にもオランダ語由来の物がいくつもあります。
実はおてんば、と言う日本語も「ontembaar」(手に負えないの意)と言うオランダ語が起源なのです。
その絆は、食にも見ることができます。
食材を見ると、パセリの和名はオランダセリ、オランダミツバはセロリーのこと、オランダナはキャベツ、オランダマメは絹さやのことです。
西洋由来の野菜の和名には「オランダ」を冠する物が実はたくさんあります。
調理法では、食材を一度素揚げしてから煮る調理法を「オランダ煮」、卵を衣にした魚のソテーを「オランダ焼き」と言います。
特になじみの深い長崎には、ごまの風味を効かせた大根の漬物「おらんだ漬け」なる物もあるそう。
2008年にはオランダとの国交400年を迎えたました。今後ますます距離がぐっと縮まるような気がしますね。
さて今回は、ナスとシシトウのオランダ煮をご紹介します。いわゆる揚げ浸しで、ご飯のお供やお弁当のおかずにおススメ。ぜひお試し下さいね。
こんにちは!料理研家のひろろこと竹内ひろみです。
ひなまつりの季節が近づいてきました
まだまだ肌寒い時期ですが、飾ってある雛人形を見ると春の訪れを感じますね。
現在は、子供の健やかで幸せな成長を祝うために飾られる雛人形ですが、もともと「ひな」とは、女の子が人形遊びに使っていた物だそうです。
時代とともにカタチを変え、現代のように飾る物になりました
子供の身代わりとして事故や病気から守ってくれる人形と言う意味があり、現代では長い間身近に置くことはせず、節句が終わるとすぐに片付ける風習が根付いています。
これは平安時代に厄除けの「守り雛」を川に流した「流し雛」の風習や、人形や絹製の細工物に虫喰いやカビが生えないように早く片付けたほうが良いこと、けじめを持たずにだらしなくしていると嫁の貰い手も現れないといったしつけの意味があったことからだろうと言われています。
そんなひなまつり、なくてはならないものがひなまつりの行事食
ひし餅の、赤は「桃」を、白は「雪」を、緑は「草」を表していて、季節の様子を表現しており、ハマグリなどの貝類はペアになっていることから、良縁の象徴としてお吸い物などに使われますね
子供たちが大好きなひなあられは、外出先でひな遊びを楽しむときに持って行くための携帯食料が由来になったようです
さて今回ご紹介するレシピは、子供も楽しく作れる「おひなさまいなり」です
お子様がいるおうちでは、一緒にクッキングをすることも少なくないと思います。
しかし小さなお子様だと、刃物をもたせるのは怖いし、難しいことをお願いすることもできないのでやらせてあげることが少ないことも
そんなときに子供でも楽しめるのが、自分でオリジナルの味付けや、飾り付けができるお料理
例えば、ちらし寿司の場合は最後にのせる卵やいくらなどの飾りの具を、好きなようにやらせてあげると子供たちの満足度がアップします
また、子供たちが好きそうな具材をいくつか揃えておいて、小さな器に盛り付けたすし飯の上に飾ってもらっても良いですね
最初から一緒にお料理をする……となるとなかなか難しいとは思うのですが
最後の飾り付けやトッピングのせなど、一部分をやってもらうだけでも
子供たちはけっこう満足してくれて、自分が作った物は食べてくれるのでおすすめの方法ですよ
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国旅行の目的として、グルメや観光の他に食器店巡りも楽しみのひとつです。
中でも韓国の白磁や青磁に魅了され、思わずおみやげにたくさん購入してしまう方は少なくないようです
青磁とは青磁釉を使った磁器のことで、翡翠色を帯びた色合いの磁器です。
高麗では青磁色を「翡色(ピセク)」と呼び、中国では「秘色(ヒソク)」と言われる程、神秘の色と評されていました。
もともと青磁は紀元前に中国で生まれ発達した物で、朝鮮半島には11世紀に宋から伝わりました。
青磁が朝鮮半島で発達した背景には、高麗時代の食生活水準が上がったことが深くかかわっています。
また青磁は観賞用としてだけではなく、実用的な食器も多く作られてきました。中には香炉など緻密なものも生み出され、上品な青い色合いは、高麗時代の仏教文化に融合し、伝来元の宋とは一線を画し独自の発展を遂げました。
形、釉薬、質などをかけあわせることで、種類は増加します。
のちに、表面に文様を付けたり、色違いの土や銀などを埋め込んだりして焼き上げる象嵌青磁が盛んになりました。
その後、高麗時代の後期には、白磁が少しずつ焼かれるようになり、朝鮮王朝時代の白磁への発展に繋がります。
そのため高麗青磁は、白磁の基礎とも言えるのです
全羅南道(チョルラナムド)の康津(カンジン)では、10世紀から14世紀まで青磁が盛んに作られ、いまも16の窯が残っています。
国宝級の青磁は、康津で作られたものが八割を占めるとか。
また、夏になると康津青磁祭りが開催されるため、一般の方たちも制作体験ができるそうです。
同じ食べ物でも盛り付ける器によって、見た目でおいしさが変わりますよね。
特に青磁には独特の風合いがあるので、いつものメニューも少し違った雰囲気に見えるはずです
また韓国料理を載せると料理が上品に見えるので、韓国料理作りに興味のある方にもおすすめです
本日のレシピは、イカのネギ巻きです。
青磁の器に盛り付けると、イカの白が映えますよ
こんにちは。
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
暦上では春の訪れが近いですが、まだまだ寒い日が続きますね
今回のブログは、寒さが厳しいこの季節に身体を温めてくれる有難い食材
『ニンニク』についてご紹介したいと思います。
春が近づくと、新タマネギや新キャベツなど、風味が強くみずみずしい春野菜が出回りますが、ニンニクにも「新ニンニク」があり、3月頃から期間限定で出回ります。
今回はそんなニンニクに関する豆知識です。『ニンニク』は、言わずと知れたスタミナ野菜です。ネギやタマネギと同じアリシンが含まれているため、疲労回復効果が期待できるビタミンB1の吸収を助けてくれます。また、アリシンは血行を促進し、新陳代謝を高めて身体を温める作用があります。その他にもセレンという成分が含まれており、免疫力を高め、ガン予防効果が期待されています。強い殺菌作用を持つので、身体に侵入したウィルスも退治してくれ、風邪やインフルエンザが流行する季節にピッタリの食材です。
しかし、ニンニクと言えば、気になるのが臭いですよね
改良されて、アリシンの効果を残し、臭いのみを取り除いた無臭ニンニクもあるようですが、多くは臭いのもとであるアリシンを取り除いた物ですので、身体のためには臭いのあるニンニクの方ががおすすめです。
気になるニンニクの臭いを消す方法ですが、ある程度は受け入れる覚悟を持って食べると良いのですが、食前に牛乳を飲む、食後にりんごを食べるなどの方法が、科学的な根拠のある対処法のようです。
今回はニンニクのおいしさをシンプルに味わう『ニンニクの丸揚げ』をご紹介しています。
通常出回っているニンニクで作ってももちろんおいしいのですが、3月頃から出回る香りの強い新ニンニクで作るとまた格別なおいしさです。
臭い覚悟でぜひお試し下さいね