こんにちは。
野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です

夏も近づき暑さが増してくると、「冷や汁」がおいしい季節がやって来ます

冷や汁と言えば、夏の定番メニュー。
器にご飯を盛り付けたら、白炒りゴマ、焼いたアジのほぐし身と、味噌を炙って作った味噌汁を注ぎ入れた一品ですね。
そこには、くずし豆腐が豪快に乗っており、キュウリ、ミョウガ、青じそが涼しげに浮かんでいて、それをサラサラと頂くのがなんともおいしいものです


ご飯の糖質、魚と豆腐のタンパク質、キュウリや薬味のビタミン・ミネラルが一度に摂れるのも嬉しい限りです。
今回は、正統派の冷や汁の作り方を簡単に確認してみましょう


冷や汁は、味噌汁の作り方がじつに個性的です。
本場の宮崎では、冷や汁に使うのは「麦味噌」。
これに焼いた魚のほぐし身と、白ゴマを加えて滑らかにすり潰し、それを直火で焼いた物を使います。
ちなみに魚のほぐし身は、炒ったいりこかアジの干物を使うことが多く、それ以外だとタイ、カツオ、トビウオ、カマスなどの青魚か白身魚を使うようです。
そして特に興味深いのは、味噌を直火で焼くことですが、想像できるでしょうか?
なんと本場宮崎だと、すり鉢に味噌を均等に伸ばし、ひっくり返してコンロの直火にかぶせて焼くのです

これだと、すり鉢にそのままだし汁を注げばすぐ食べられます。
豪快なやり方に反して、とても合理的ですね

また、木べらに味噌を付けて、そのままコンロの直火にさらして炙る方法もあります。
いずれにしても注意が必要なので、自宅で作る際はフライパンで炒ったり、トースターやグリルで炙ったりすると良いでしょう。
ちなみに味噌を焼くことで、魚の臭みが和らぎ、味噌の香ばしさが引き立つ上、旨みも引き出されるので、ご飯やキュウリと合わせてもさっぱりと頂くことができます。

ところで、冷や汁にはどの豆腐を合わせるのが良いと思いますか?
どっしりとしてしっかり食感の木綿豆腐、つるんとやわらかな絹ごし豆腐、ふんわりとした寄せ豆腐。
それぞれの豆腐には、それぞれの良さがあるので、これじゃなきゃダメということはありません。
それぞれの特徴と仕上がりを踏まえて、お好みの物を使って頂けたらと思います


■木綿豆腐
本場の宮崎では、冷や汁に木綿豆腐が主流です。
適度に水分を切ってから木綿豆腐をちぎって加えると、豆腐の断面がまばらになって、味がなじみやすくなります。
冷や汁の中でも、しっかりとした存在感がありますよ。
■絹ごし豆腐
絹ごし豆腐は崩れやすく、跡形もなくなってしまう場合があるので、盛り付け方に要注意です
スプーンで大きめにすくったり、そのまま乗せて冷や汁の中で崩しながら食べると良いでしょう。
■寄せ豆腐
寄せ豆腐は、木綿豆腐を作る工程でできた、豆腐をざるに寄せた物。
木綿豆腐よりやわらかくてふんわりとしており、絹ごし豆腐より崩れにくいので、個人的には冷や汁には寄せ豆腐が好きです。冷や汁を自宅用にアレンジしてみよう
こうしてみると、冷や汁作りの最大の難関は味噌ですね。
何度か、アジを焼いてほぐすところから作ったことがありますが、これがなかなか大変でした。
なかでも、小骨をキレイに取り除くのは、言いようのない手間がかかります
そこで、簡単においしく作ることだけを考えて、「サバ缶で作る簡単冷や汁」を作ってみようと思います
サバの味噌煮缶なら、味噌味が付いていて、サバも骨ごと食べられるので、手間を一気に省くことができますよ。
皆さんも、ぜひお試し下さい
