管理栄養士 吉田由子です。
2023年初めての料理ブログ更新になります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、皆様はお正月に「赤味噌」と「白味噌」どちらのお雑煮を召し上がりましたか?
あるいは、すまし汁仕立てや合わせ味噌などのご家庭もあるかと思います。
お雑煮は、具材と味噌やだし汁の組み合わせに地域性が見られ、多種多様でおもしろいですよね。
今回の料理ブログは、「赤味噌」と「白味噌」の地域性や特徴、栄養価などについてご紹介します。

赤味噌も白味噌も主な原材料は大豆・麹・塩のみです。
味噌は、大豆と塩にどの麹を加えるかによって「米味噌」「麦味噌」「大豆味噌」の3種類に分けられます。
・米味噌→大豆に米を原材料とした「米麹」を加えて作った物。甘口から辛口まで様々な味がありますが、米麹の割合が多いほど甘くなります。
・麦味噌→大豆に麦を原材料とした「麦麹」を加えて作った物。一般的には麦味噌は甘口で、米味噌よりもあっさりとしていて、独特の香りと風味があるのが特徴です。
・豆味噌→大豆に豆を原材料とした「豆麹」を加えて作った物。糖質が少ないため甘みが弱く、タンパク質が多いため旨味のしっかりした味噌になります。
九州や四国の一部で麦味噌、東海地方(愛知、岐阜、三重)で豆味噌が作られていますが、それ以外の日本の味噌の約8割は米味噌です。
次に、味噌は色によって「赤味噌」「白味噌」に分けられます。
作る工程での大豆の処理、麹の種類や量、食塩の量、発酵熟成期間などの条件の違いによって色が変わってきます。
赤味噌と白味噌に色の違いが出る理由は、味噌を発酵・熟成させる過程で起きる「メイラード反応」という化学変化によるものです。これにより、大豆や麹に含まれているアミノ酸と糖質が反応して茶褐色に変色します。熟成期間が長く、「メイラード反応」が進んだ味噌ほど、色が濃くなっていきます。
赤味噌は、大豆の浸水時間を長くし、高温で長時間蒸して作られます。そのため、タンパク質が熱変性して酵素により分解が促進されるため色の濃い茶褐色の味噌になります。
関東圏や東北地方の赤味噌は米麹を使って作られる「米味噌」が主流です。
濃厚な甘味と香りは肉や魚と相性が良く、サバの味噌煮や豚肉の味噌漬けなどがオススメです。
同じ赤味噌でも、八丁味噌や名古屋味噌が有名な東海地方の赤味噌は、豆麹を使って作られている「豆味噌」です。熟成期間も1〜2年以上と他の味噌より長く、腐敗を防ぐために塩分濃度が高くなっており、独特の渋みと旨味が特徴です。
肉や魚と相性が良く、加熱による香りの変化が少ないので煮込み料理がオススメです。名古屋名物の味噌煮込みうどんや味噌カツには欠かせませんね。
白味噌は、大豆を蒸さずに煮ることで茶褐色に変色する「メイラード反応」が抑えられ、白っぽいクリーム色の味噌になります。熟成期間を短くしているため長期保存はできません。
代表的な白味噌は、関西圏で多く使われている米と大豆と塩を原材料にした「米味噌」で甘みが強いのが特徴です。甘味が強く香りが良いので魚の西京漬けや田楽などがオススメです。
味噌って奥が深いですね。
今年は、様々な地域の味噌を使い分けてお料理のバリエーションを増やしてみませんか?
今回のレシピは、赤味噌(八丁味噌)と根菜を使った「和風ボロネーゼ」をご紹介します。赤味噌たっぷりのコクのあるソースがおいしい一品です。ぜひお試し下さい。
出典:
文部科学省 食品データベース
https://fooddb.mext.go.jp/ (2022.12.17)
みそ健康づくり委員会
https://miso.or.jp/ (2022.12.17)

2023年初めての料理ブログ更新になります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
さて、皆様はお正月に「赤味噌」と「白味噌」どちらのお雑煮を召し上がりましたか?
あるいは、すまし汁仕立てや合わせ味噌などのご家庭もあるかと思います。
お雑煮は、具材と味噌やだし汁の組み合わせに地域性が見られ、多種多様でおもしろいですよね。
今回の料理ブログは、「赤味噌」と「白味噌」の地域性や特徴、栄養価などについてご紹介します。

赤味噌も白味噌も主な原材料は大豆・麹・塩のみです。
味噌は、大豆と塩にどの麹を加えるかによって「米味噌」「麦味噌」「大豆味噌」の3種類に分けられます。
・米味噌→大豆に米を原材料とした「米麹」を加えて作った物。甘口から辛口まで様々な味がありますが、米麹の割合が多いほど甘くなります。
・麦味噌→大豆に麦を原材料とした「麦麹」を加えて作った物。一般的には麦味噌は甘口で、米味噌よりもあっさりとしていて、独特の香りと風味があるのが特徴です。
・豆味噌→大豆に豆を原材料とした「豆麹」を加えて作った物。糖質が少ないため甘みが弱く、タンパク質が多いため旨味のしっかりした味噌になります。
九州や四国の一部で麦味噌、東海地方(愛知、岐阜、三重)で豆味噌が作られていますが、それ以外の日本の味噌の約8割は米味噌です。
次に、味噌は色によって「赤味噌」「白味噌」に分けられます。
作る工程での大豆の処理、麹の種類や量、食塩の量、発酵熟成期間などの条件の違いによって色が変わってきます。
赤味噌と白味噌に色の違いが出る理由は、味噌を発酵・熟成させる過程で起きる「メイラード反応」という化学変化によるものです。これにより、大豆や麹に含まれているアミノ酸と糖質が反応して茶褐色に変色します。熟成期間が長く、「メイラード反応」が進んだ味噌ほど、色が濃くなっていきます。
赤味噌は、大豆の浸水時間を長くし、高温で長時間蒸して作られます。そのため、タンパク質が熱変性して酵素により分解が促進されるため色の濃い茶褐色の味噌になります。
関東圏や東北地方の赤味噌は米麹を使って作られる「米味噌」が主流です。
濃厚な甘味と香りは肉や魚と相性が良く、サバの味噌煮や豚肉の味噌漬けなどがオススメです。
同じ赤味噌でも、八丁味噌や名古屋味噌が有名な東海地方の赤味噌は、豆麹を使って作られている「豆味噌」です。熟成期間も1〜2年以上と他の味噌より長く、腐敗を防ぐために塩分濃度が高くなっており、独特の渋みと旨味が特徴です。
肉や魚と相性が良く、加熱による香りの変化が少ないので煮込み料理がオススメです。名古屋名物の味噌煮込みうどんや味噌カツには欠かせませんね。
白味噌は、大豆を蒸さずに煮ることで茶褐色に変色する「メイラード反応」が抑えられ、白っぽいクリーム色の味噌になります。熟成期間を短くしているため長期保存はできません。
代表的な白味噌は、関西圏で多く使われている米と大豆と塩を原材料にした「米味噌」で甘みが強いのが特徴です。甘味が強く香りが良いので魚の西京漬けや田楽などがオススメです。
味噌って奥が深いですね。
今年は、様々な地域の味噌を使い分けてお料理のバリエーションを増やしてみませんか?
今回のレシピは、赤味噌(八丁味噌)と根菜を使った「和風ボロネーゼ」をご紹介します。赤味噌たっぷりのコクのあるソースがおいしい一品です。ぜひお試し下さい。
出典:
文部科学省 食品データベース
https://fooddb.mext.go.jp/ (2022.12.17)
みそ健康づくり委員会
https://miso.or.jp/ (2022.12.17)
