こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
2004年に日本で放映された韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」を覚えていらっしゃいますか?
主人公のチャングム。
宮廷料理人として幼い頃から修行を重ね、数々の策略に翻弄されながらも、最後は王様の主治医の地位まで昇り詰めるというサクセスストーリーで、韓国では50%を超える高視聴率だったそうです
王様の料理を専門に作る台所を水刺間(スラッカン)と言うのですが、スラッカンで調理をする女官たちの手際の良さには、いつも目を奪われました。
チャングムの料理対決も話題になりましたね。
王様のための献立は、五汁十二菜で構成されています
ただ、これだけの量を王様は完食できません。
料理は各地の献上品で作られていたため、王様が国内の収穫状況などを把握するために、五汁十二菜が用意されたそうです。
ところで、韓国料理というと辛い印象が強いですよね?
しかし、唐辛子が朝鮮半島で広まる以前は、山椒やこしょうがあったとはいえ、辛くない料理が主流でした
例えば、チャプチェ。
現在は中国の影響を受けて春雨が入っていますが、17世紀の朝鮮王朝時代に誕生したチャプチェは、細切りにした牛肉と野菜を炒め合わせ、しょうゆベースの味付けをした物でした。
唐辛子が料理に使われるようになったのは今から250年程前で、朝鮮王朝時代の後半にあたります。
韓国料理は辛いから苦手という声を時々聞きますが、辛くないものも多く存在します。
現在の韓国家庭料理は、チャングムの時代を含む朝鮮時代の宮廷料理から派生したものなんですね。
もし機会がありましたら、韓国の本場で宮廷料理をぜひ召し上がってみて下さい。
上品な味と彩り鮮やかで芸術的な盛り付けに、感動すること間違いなしですよ