こんにちは、料理家の野上優佳子です。
先日買い物に出かけたとき、新しい箸を買いました
我が家の家族は、別々の箸を使っているのですが、その好みは、まさに人それぞれ。
箸は、中国の黄河流域が発祥と言われる伝統的食具のひとつ。日本をはじめ、中国や台湾、韓国、ベトナムなど、東アジアを中心とした地域で現在も習慣的に使われています。
日本では、「古事記」に箸についての記述があり、奈良〜平安期の貴族社会が描かれた「枕草子」「源氏物語」などの書物にも、豪華な銀の箸が多数登場します
箸専門店に行けば、材質から削り方まで数多くの種類があり、目移りしてしまいます。
実は、箸の材料となる木は、縁起との結び付きがあります。
例えば杉の箸で有名な「利休箸」は、その名の通り、茶の大家・千利休が、客人への招きと一期一会の心遣いをもって、吉野杉の赤身を1本1本削って作ったことに由来します。
お正月の祝い箸と言えば、柳がよく使われますが、これは「家内喜」と当て字されます。
木肌の純白な美しさと、「柳に雪折れなし」と言われる、しなやかさゆえに折れにくいところから、縁起良しと言われるためです。
檜や杉は、長生きの木であることから「長寿」の象徴でもあります。
南天の箸は「難転(なんてん、難を転ずる)」という縁起が…と、知れば知る程、興味深い世界なのです。
毎日使う物だからこそ、手に、そして口になじむ物を。
日本を代表する食具「箸」を見直してみると、楽しいかもしれませんね
さて今回は、箸でもすっと切れるやわらか豚の角煮をご紹介します。
黒酢で煮るので脂っぽさが消え、しかもコクと甘みと程良い酸味が楽しめます。
日持ちがするので、たくさん作ってお弁当のおかずにも。ぜひお試し下さい