こんにちは、料理家の野上優佳子です
私の本棚には、いくつか母の本棚から持って来たレシピ本があります
ずいぶん古めかしいのですが、そこには様々な発見があり、とても楽しいものです
その中の1冊が「お弁当十二か月」と言う本。
初版は私が生まれる前、昭和40年。西暦1965年の物
女子栄養大学出版部発行で、カラーとモノクロで料理の完成写真と共に、材料と作り方、1人分のカロリー表示が掲載されています
使用食材を見ると 、ナマリ(カツオを煮た物)やレバー、クジラを主材料にした副菜がいくつも紹介されているのが印象的。
今のお弁当本では、あまり見かけませんね
その一方、メニューにはちらし寿司やカツ丼などの定番もあれば、ハンバーガーやホットケーキ、ラスクまであり、バリエーション豊か
レシピ本ですから、一般家庭のお弁当よりも憧れを感じたり、目を引くアレンジの物を提案したりしているはずなので、実際の食卓よりも先の時代を見たメニューになっています
それゆえ、写真の撮り方やスタイリングの違いこそあれ、平成の今ともさほど大きな違いはなく、なるほどこれおいしそう!と思うメニューもあり、アイディアのヒントになることもしばしば
私も、高校生の娘と幼稚園の息子のお弁当作りが、毎朝の日課です。
お弁当を作るときはいつも、食べる人を思って作ります。
現代は「時短」「簡単」の言葉がつい先行してしまいますが、なによりもお弁当には家庭の豊かな愛情が込められています。
お弁当は、時代を超えて大切にしたい、日本の誇るべき食文化です。
では今回は、行楽のお弁当におすすめの一品、「しのだ巻き寿司」をご紹介。
袋詰め状のおいなりさんを、アレンジしたレシピです。
お子さんも喜ぶ味ですので、ぜひお試し下さいね