こんにちは、
料理家の野上優佳子です。
5月も今日で終わりを迎えますが、 「五月豆」 と言われる豆があるのを、皆さんはご存知ですか。
正解は、「そらまめ」 。
空豆とも蚕豆とも書きます。
サヤを開けば、ふわふわした綿のような中に、大きな粒が収まっています。
ふっくらしていて、美しい緑色で、食べ応えも香りも豊か。
豆好きな私はこのソラマメが出回るのを毎年心待ちにしています。
世界的に食材としての歴史は大変古く、古代エジプトやローマでは主食の1つ でもあったと言われています。
特にエジプトは今でも、「フール」と呼ばれる干しソラマメを煮た物や、「ファラフェル」というソラマメをつぶして揚げたものなどはとてもポピュラーです
日本に渡って来たのは8世紀とも言われますが、
その一方で江戸時代慶長年間の頃に中国から渡来したことを受けて「唐豆」と呼ばれたという説も。
これにとどまらず別名が数多くある豆で、五月豆の他にも、夏豆や天竺豆、雪割豆など、日本全国各地でいろいろ呼ばれていて、どれもなかなか魅力的な呼び名です。
ソラマメは雷嫌い だという、ユニークな言い伝えがあります。
播州赤穂(今の兵庫県)地方には、ソラマメの開花中に雷が鳴るとソラマメが成り負けて実が成らぬ、と言われたのだとか。
昔は春の雷が珍しく異常気象だと思われていて、それが怒るのは不吉だと恐れられたことが背景にあるようです。
さて今回は、このソラマメと金目鯛を使った炊き込みご飯をご紹介します。
初夏らしい色合いで、おいしさ抜群。ぜひお試し下さいね。