こんにちは、料理家の野上優佳子です。
秋はお芋がおいしい季節
「芋」と一口に言っても様々あります。
身近な物を見てみると、ジャガイモに里芋、サツマイモ、長芋、どれも芋ですが、それぞれ形も味も違いますね 。
調べてみたところ、ジャガイモはナス科、里芋はサトイモ科、サツマイモはヒルガオ科、
長芋はヤマノイモ科。
すべて「科」が違います!
その中でも、最も古くから日本で栽培され、食用とされてきたのが、 「里芋」です。
インド原産で、一説には、稲作が定着する以前は里芋が主食だったとも言われています。
特にアフリカや熱帯アジアでは、この里芋と同種の「タロイモ」が主食として食べられています。
日本の場合、里芋は縄文時代から食用とされてきたと言われ、供物や民俗信仰の縁起物としても欠かせない食材になっています。万葉集には「字毛」という呼び名で登場し、平安時代の有職故実書『延喜式』にも記載があります。
古い儀式を守り続ける神社の「神饌(しんせん)」(神棚などに供える、神様への供物)や、秋に行なわれることが多い収穫感謝祭のお供えにも里芋が欠かせません。
また、お正月のおせちや雑煮の具にも里芋が使われますが、これは里芋に小芋がたくさん付くことから子孫繁栄の縁起物とされているから です。
特に関西地方で食べられる縁起物の「ヤツガシラ」や「エビイモ」も里芋の一種。
「頭芋(カシライモ)」と呼ばれるのは、小芋ではなく親芋の里芋のことを指しています。
まさに今が旬の里芋ですが、保存の際は、乾燥させないよう土付きのまま新聞紙などでくるんで、風通しのよい冷暗所で保管して下さい。
もともとは温かい地域で採れる物なので、冷蔵庫には入れないようにしましょう。
さて、本日ご紹介するレシピは「サトイモとソーセージのジャーマンポテト風炒め」です。
里芋は、煮物や汁物の具として使われることが多いですが、今回は洋風にアレンジしてみました
ウィンナーソーセージと一緒に炒めて、ジャーマンポテト風に仕上げます。
ビール にも合うおいしい一品です。
ぜひお試し下さいね。