こんにちは、料理家の野上優佳子です。
冬のスポーツの祭典 が間もなく 始まり、ワクワクする競技が目白押しですね
今回は開催地にちなんで「ロシア料理の魅力 」についてご紹介したいと思います。
ロシアは広大な土地を持つ国、その食文化はとても多彩です。
ロシアの食事は、ザクースカ(前菜)→ 第1の料理(スープ)→第2の料理(メインディッシュ)→デザートの順番 。
まるでフランス料理のようだと思いませんか?
実はこの給仕法は、ロシア上流階級が本家です。辻調グループ創設者でフランス料理研究の権威でもあった辻静雄氏によれば、「16世紀頃までフランスはもともと、その見た目の華やかさからかすべての料理を一度にテーブルに並べていた」そうです。
17世紀初頭、初代ロシア皇帝ピョートルがヨーロッパの文化を吸収することに熱心だったため、18世紀には貴族たちの間でフランスが大流行しました!
フランスからシェフを招きましたが、フランス人シェフは食事をおいしくサーブできる合理的なロシア式の食習慣を気に入り、その後、ロシア式が急速に普及していったそうです。
私たちが格式高きフランス料理の給仕法だと思っているのは、実はロシア式だったというわけですね。
ちなみに、日本でも北海道・函館においては、明治時代にロシア居留地があったことから、ロシア料理に関する歴史は古いと言えます。
厳しい大陸性気候のロシア
そのレシピ本をひも解けば、第1の料理で出されるスープは、冬は体を温めてくれたり、夏にはほてった体を冷やしてくれたりする多種多様なメニューがあります。
代表的な物として、ビーツをベースにした「ボルシチ」を始め、キャベツをベースにした野菜スープ「シチー」、魚のスープ「ウハー」、冷製スープの「オクローシカ」等があります。
この他、キャベツやきのこの塩漬けや酢漬け、春を告げるお祭りに欠かせない「ブリヌイ」 (類似:クレープ、パンケーキ等)、串焼きの「シャシリク」等語り尽くせません。
ヨーロッパとアジアを両隣に持つ国ならではの豊かな食文化に心が躍りますね
さて今回は、メインディッシュの中から「牛肉のコトレータ」をご紹介します。
鶏肉や魚など食材は様々ですが、今回は牛ひき肉で作ります。
パン粉をまぶして揚げ焼きにした、言わばロシア風カツレツです。
ぜひお試し下さいね。