こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
かつて韓国では、季節によって器を使い分けていました。
夏は涼しく見える白磁、冬は保温性の優れた真鍮(しんちゅう)器や銀器です。
真鍮器の歴史は古く、高麗時代にはよく使われていたという記録が残っているそうです。
高麗時代の合金技術は優れていたため、中国から原料を仕入れて、形にして中国に輸出していたと言われています。
しかし高麗時代の末期になって、王様が真鍮器の使用を禁じた とか。
理由は、原料が国内産ではなかったからです。
しかし発令の効果はなく、朝鮮時代にも受け継がれてきました。
一般家庭でも最低三つは保有していた真鍮器。
政府の要請で戦争のときに兵器用として差し出さなければならず、その数が減りました。
さらには高価な上、変色しやすく、重さがあるため、今や家庭ではなかなかお目にかかれなくなっています。
真鍮器に料理を盛り付けると格式が高く見えますので、ひとつあると便利だと思います。
変色したら、乾いている状態でスポンジを使ってみて下さい。輝きが戻ります
さて、本日の料理は「鶏肉と野菜の煮物(タクチム)」です。
コショウが利いていてピリリと辛いチムタクという韓国の地方料理がありますが、タクチムは宮廷料理なので辛くありません。
日本人の口にも合う一品です