こんにちは。料理家の野上優佳子です。
当たり前のように使っていて、ふと「それってどういう意味?」と気付く瞬間ってないですか?
先日、フライを揚げていて、ごく当たり前のようにタルタルソースを作っていたのですが、「タルタルって、実際のところ何?」とふいに思ったのでした。
「タルタル」で思いつくところといえば、タルタルソースと、生肉をたたいたタルタルステーキ。
両者の共通点といえば、具材を細かく切っている、というところ。
英語のスペルを見てみると、どちらも同じ「tartar」。
この言葉を辞書でひいてみると、Tartarはタタール族(モンゴルから東欧にかけて活動した遊牧系を含めた他民族の総称)と、もうひとつ「酒石(しゅせき)」という意味が出てきます。
「酒石(しゅせき)」は、ワインの醸造樽の底に沈殿する、いわば澱(おり)のことを指し、酒石酸の原料となるもの。
「酒石酸」は「cream of tartar」といわれ、使用許可された食品添加物のひとつで酸味があり、製菓材料としてメレンゲの泡を保つために使われることもあるそう。
と、調べれば調べるほど、おもしろいことはたくさん出てきますが、肝心のステーキやソースとのつながりは「タタール人に由来している」という程度しか見つけられませんでした、残念
というわけで(?)今回は、新鮮なサーモンのお刺身を使ったタルタルステーキをご紹介。
身を細かく刻み、サワークリームとディルで、さわやかに仕上げます。
サワークリームは、生クリームを発酵させて作った乳製品。
クリームチーズよりも軽く、ヨーグルトよりもしっかりしてコクがあるので、さまざまなお料理に重宝します。とてもさわやかで、上品な酸味があります
火を使わずにあっという間にできて、しかもおもてなしにもぴったり。
ディップ感覚でパンなどに合わせていただけて、白ワインとの相性が抜群です