こんにちは。料理家の野上優佳子です。
夏が近づいてくると、あちらこちらのうなぎ屋で「土用うなぎ丑の日」という貼り紙などを目にします。
2011年の土用の丑は、7月20日。二の丑は8月2日となっています。
2回も、おいしいうなぎを食べられる口実があるって、うれしい〜
夏の風物詩のようですが、実は古代中国を発端とする自然哲学の思想「五行思想(万物は木・火・土・金・水の5種類の元素からなるという説)」に基づいて割り当てられた期間のことを指し、土用は年に4回あります。
立春・立夏・立秋・立冬の各季の前の18日間を指すもので、特に夏の土用は、暑い盛りで1年の土用の中央にも当たることなどから、古代より注目されてきました。
夏の土用にうなぎを食べる習慣は江戸時代に定着したといわれますが、その由来で最も有名なのが「平賀源内説」。
当時は夏に客足が途絶えがちだったうなぎ屋、どこぞの主が源内に相談に行ったところ、丑の日に「う」のつくものを食べると夏バテしないという通説を思い出し、「本日丑の日」と書いて店先に貼らせたところ、そのうなぎ屋がとても繁盛した、という話
しかし、そのはるか昔の万葉集にも、痩せている友をからかって「むなぎ(うなぎ)」を食べて精をつけろ、いう歌があるので、うなぎは昔から栄養のある食べ物だと認識されていたようです。
うなぎの最も一般的な食べ方は蒲焼ですが、食べてみると、関東の蒲焼はふっくらとやわらかい。
一方、関西の蒲焼は香ばしく弾力があります。
この違いは調理の仕方にあるようで、関東は、背から割き→焼き→蒸し→つけ焼きという行程ですが、関西は腹から割き、素焼き→本焼き(たれをつける)という流れで、直火の遠火でじっくり焼き上げる『地焼き』という焼き方。
同じ食べ物、同じ食べ方のように見えますが、そんな違いがあるのですね
さて今回は、いつもとちょっと違う、うなぎの食べ方をご紹介します。
豆板醤を使って、夏にぴったりのピリ辛の炒め物。ニラも入って栄養満点!
ご飯にもビールにも合うので、ぜひお試しください