こんにちは、料理家の野上優佳子です。
「ハラルフード(ハラール)」という言葉を聞いたことがありますか?
ハラル(HALAL)とはイスラム圏の言葉で「許された、合法の」と言う意味だそうです。
つまりハラルフードとは、イスラム教の律法にのっとって食べることを許された食べ物 と言うことです。
ここ数年、イスラム教徒(ムスリム)の多いインドネシアやマレーシアなど東南アジアからの観光客の訪日がとても高い伸び率をみせ、さらに今後も数の増加が見込まれています。
イスラム教徒は世界全体で16億人とも言われ、実に世界人口の4分の1を占める程。
観光立国を掲げて10年目の節目を迎える日本としては、無視できない大きな観光客市場でもあるわけですね。
私たちが一般的によく聞くのは、豚肉やアルコール
が禁忌であること 。
魚や野菜、穀類、牛肉、鶏肉、牛乳などは、イスラム教の作法にしたがって処理された物はOK。
単純に禁じられた物を食べてはいけないだけではなく、その調理過程も正規の過程を踏んでいることが必須なのです。
例えば、処理されていない食肉のうまみエキスなどが入った調味料やアルコールが発生するみりんは使えるのかといった具合です。
大阪大学などでは、すでに20年前から学食メニュー にハラルフードがあり、実は全国の大学の生協や学生食堂では取り組みが進んでいます。
またハラルの弁当宅配やケータリングといったサービスも数年前から登場し、ハラル認証マークを掲げている飲食店も街で見かけるようになりました。
私たちにはちょっとなじみがないような気がしますが、実は日本もかつては獣肉を食べることは宗教的理由や社会的習慣から禁忌でした。
しかし、様々な思想や背景を越えて一種の食のジャンル化とも言える形に発展し日常的に楽しむ姿勢は、日本ならではの柔軟さかもしれません。
さて今回は、イスラム圏ではとてもポピュラーなレンズ豆(レンティル)を使った「レンズ豆のダール」のレシピをご紹介します。
ダールとは豆の総称ですが、豆とスパイスなどを煮たものも指し、インドの味噌汁とも言える家庭料理です。
私はこれが大好き!簡単でおいしくて失敗しないので、ぜひお試し下さいね!