こんにちは、料理家の野上優佳子です。
まだ夏の名残が感じられる暑い日 がありますが、つい先日、「やーきいも〜」とおおらかに響く石焼き芋屋さんの声を聞いてビックリ
暦は9月・・・秋ですね・・・
そんな石焼芋で使われる『サツマイモ』は1年中見かける常備野菜ですが、もちろん旬があり、その種類も様々です。
品種によって時期は多少ずれますが、 「紅あずま」や 「鳴門金時」などの人気品種の初物は9月頃から、ねっとりした食感と甘みが人気の「安納芋」は10月頃から出回ります。
日本ではもともと「甘藷」(かんしょ)」と呼ばれ、戦国時代にはすでに沖縄や九州地方に上陸し、西日本を中心に栽培が拡大。その伝来経路から現在の「薩摩芋=サツマイモ」が定着したようです。
サツマイモがメジャーな作物となったのは、実は時代劇のモチーフで人気の「大岡越前」と呼ばれる江戸南町奉行・大岡忠相(おおか ただすけ)と深いかかわりがあります。
西日本では凶作対策の備荒作物としてすでに奨励されていた甘藷。
儒学者・青木昆陽(あおき こんよう)はこれに着目して『甘藷記』 と言う農業資料をまとめていました。
この書物を忠相が当時の8代将軍・徳川吉宗に献呈したことから、江戸でも甘藷の試植が始まり、さらに書物が刊行されて世間にも広く知れ渡ることになった、というわけです。
サツマイモは、すぐに人気野菜の仲間入りをしたようで、江戸時代の屋台の天ぷら屋では、サツマイモ天は定番メニューのひとつになっています。
さらに明治維新の頃、大久保利通が内務卿時代に各地の篤農家にサツマイモの栽培方法を広め、さらに栽培地域も拡大。
こうしてサツマイモは全国区となったのです。
しかし、こうして見ると東日本では、意外と歴史の浅い野菜なんですね。
さて今回は、このサツマイモをサラダにしました。彩りも鮮やかなデリ風にアレンジ
いつもと違うさっぱりしたおいしさを楽しんで頂けるはずです。
『サツマイモとクルミのサラダ』をぜひお試し下さいね!