こんにちは、料理家の野上優佳子です。
いよいよクリスマスシーズン
ああもう年末だわと焦る気持ちはありながらも、どうしてもワクワク心躍ってしまいます
先月はスペインのクリスマス菓子をご紹介しましたが、今回はイギリスのお菓子をご紹介したいと思います。
イギリスのクリスマスと言うと、クリスマスプディングが有名ですが、もうひとつの定番菓子 『ミンスパイ(mince pie)』は、実はあまり知られていません。 クリスマスから
十二夜までの間に12個のミンスパイを食べると、その年には幸運が訪れる
という素敵な風習があります。
香辛料の香り豊かなみじん切りのドライフルーツやリンゴをパイにたっぷり詰めた焼き菓子で、16世紀にはすでにクリスマスの定番菓子として食べられていたそうです。
当時は挽肉に果実や香辛料を混ぜ合わせた物が詰められていましたが、肉を詰めない形に変化を遂げ、今はドライフルーツやリンゴ、ナッツを詰めるのが主流になっています。
もし皆さんがイギリスのレシピ本などを眺めたときに、ミンスパイの材料に「suet」が含まれているかもしれません。これは牛や羊の脂のこと。この挽肉に具を入れる名残を見ることができます。
形は、イエスキリストへの生誕の祝いがルーツであることから、もともとはゆりかごを象った楕円型ですが、現在では、つまみやすいフィンガーサイズのタルト型に星に型抜きした生地を乗せて焼き上げます。
新年早々ハッピーな気持ちになれる香り豊かなスイーツ、ぜひ試してみませんか。
今回は、この『ミンスパイ』のレシピをご紹介します