こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
日本茶と言えば緑茶の印象が強いと思いますが、韓国伝統茶と言ったら皆さんは何を思い浮かべますか
韓国に旅行で訪れたことがある方は、トウモロコシ茶をよく目にしたのではないかなと思います。
数年前に日本のメーカーでも販売を始めたこのトウモロコシ茶は、韓国伝統茶のひとつで、韓国では常備しているご家庭も多く、お茶というよりも「水」の感覚で愛飲されています
トウモロコシ茶には実を煎ったお茶と、ひげを使ったお茶があります。
共に食物繊維が多く、実を煎ったお茶には鉄分・リン・ビタミンB1などが多く、ひげを使ったお茶にはカリウムが多く利尿作用があると言われています。
そのため、ひげを使ったお茶の方がむくみを取る働きが高いので、むくみが気になる方はぜひトウモロコシのひげ茶を試してみてはいかがでしょう
さて、伝統茶の歴史を振り返ると、宗教とのかかわり合いが強くあります。
朝鮮半島では、高麗時代(918年〜1392年)まで、仏教の影響で茶葉を使った緑茶がよく飲まれていました。
しかし、李氏朝鮮時代(1392年〜1910年)に入ると仏教が排除。
お酒を重視する儒教の浸透により、お茶文化はお寺や貴族の一部を除いて衰退しました。
その一方で朝鮮半島では元々、穀物、種実、果実、野草
、花
、根などを使った伝統茶があったため、李氏朝鮮時代には茶葉に替わる嗜好品として伝統茶がよく飲まれるようになりました。
ちなみに朝鮮半島の気候や地質は、茶葉の栽培にあまり適しておらず昔は茶葉の栽培をしていなかったそうですが、現在では済州島など南部のエリアで栽培されています。
また、韓国スタイルの茶道もあります。
伝統茶は後食(フシク)と言って食事のあとや、間食に楽しみます。
韓方(※)素材のお茶も多くあるため、薬効性の高いお茶は健康や美容のために飲用されています。
(※韓国が独自に発展させた医学を、韓国内で1986年ごろに名称変更し、韓方医学と称しています)
以前、韓国滞在中に気分が悪くなり、友人の薦めで雙和(サンファ)茶を飲んでみたところ、30分後には体調が回復して、旅行を続けられた経験があります。
雙和(サンファ)茶には、生薬である芍薬、当帰、オウギ、センキュウ、葛根、生姜、ジオウ、五味子、クコなどが入っています。
これだけたくさんの生薬が入っていたら元気になりますよね
韓国伝統茶は日本でも一部買えますが、ティーバッグや粉末になっている物が多いので、韓国に旅行する機会がありましたら、大型スーパーや市場で加工されていない物を購入してみて下さい。
個人的なイチオシは、アマドコロ茶です。
アマドコロとはスズラン科の多年草で、乾燥させた根っこがお茶として飲まれています。
クセがなく、ほのかな甘味があるので、老若男女問わず飲むことができる上に、効能もすばらしく、滋養強壮、疲労回復に良く、血圧を下げます。
また、活性酸素を取り除いてシミを予防し、脂肪の吸引を抑えるという女性に嬉しいお茶です
その他にも様々な伝統茶がありますが、その中でも本日は挑戦しやすい「黒豆茶」のレシピをご紹介致します。
薬膳的に見ると、黒い食べ物はアンチエイジングに良いとされています
お茶に使った黒豆も最後まで食べきることができるので、小腹も満たしてくれますよ
ぜひ挑戦してみて下さいね