こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
日本でお馴染みの韓国料理にビビンバがあります。
韓国語により近い表記はピビムパプと言い、ピビムは「混ぜる」、パプは「ご飯」の意味です。
この名前は食べ方から由来していますが、韓国では「混ぜて」食べる文化が根付いているため、料理名に「ビビム」と付いていなくても、韓国料理には混ぜてから食べる料理が多く存在します。
例えば、チェンバンククスというそば料理もそのひとつです。
チェンバンククスは、色とりどりの野菜や鶏などの肉、そばをきれいに盛り付けた料理で、食べるときにコチュジャンベースの辛味ソースをかけて、大胆に混ぜ合わせて食べます。
すべて混ぜ合わせることで野菜の甘味が全体に広がり、不思議と辛味が控えめになり食べやすくなります
また、スイーツにも混ぜ合わせて食べる物があります。
それが、パッピンスという韓国のかき氷です。
パッピンスはかき氷の上に、フルーツ、餅、アイスクリーム、小豆などがトッピングされていて、日本のパフェに近い豪華さがあるスイーツです
様々なフルーツが色とりどりにトッピングされているパッピンスですが、食べるときは跡形もなくスプーンでかき混ぜるのが本場のスタイル。
全体の味を均一にして、口の中で各素材の食感を感じるのが良いのです。
韓国では、混ぜた料理を「分け合う」のが美徳とされる文化があります。
近年ではフュージョン料理(多国籍料理)も増えてきたため、コースメニューのスタイルで一人前ずつ出されることもありますが、本来は大皿料理を直箸で取り分け何人かで食べることが韓国では良しとされています。
そのため韓国では個食を嫌う傾向にあるのですが、原点には「みなが同じ物を食べることで連帯意識を強めていく」といった考えがあります。
日本で言う「同じ釜の飯を食う」といった感覚でしょうか
ソウルでは事情が変わってきましたが、地方では一人でお店に入ろうとすると、断られることもあります。
一人旅を楽しむ人たちにはとても不便ですが、郷に入っては郷に従えと言います。
これもその国の文化と思い、受け入れて旅を楽しんで下さい
余談ですが、韓国では久しぶりに会った人や、初めて会った人と交わす挨拶に、「食事はしましたか?」または「ご飯を食べましたか?」と問いかけます。
これは、人々が満足に食べられない時代の名残りからだそうで、食事に誘っているワケでも、食事の内容を聞きたいワケでもないのです。
日本語で言うところの「元気?」「最近どう?」などと、似たようなニュアンスなのですよ
それでは、本日のレシピのご紹介です。
白身魚と野菜を使った冷菜です。
大皿に盛り付け、酢コチュジャンソースで和えて、取り分けながら食べて下さいね