こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
高麗人参と言えば、日本人には加工された錠剤やエキスの印象が強いと思いますが、韓国では生の高麗人参が料理によく使われます。
代表的なものは参鶏湯(サムゲタン)。
ひな鳥のお腹にもち米、ニンニク、なつめ、高麗人参などを詰めてじっくり煮込み、お肉とスープの両方を味わう料理です
日本人が土用の丑の日にうなぎを食べるように、韓国人は伏日(ポンナル)と言う日本の土用の丑にあたる日にサムゲタンを食べて夏バテを予防しています
その栄養価の高さは折り紙付き
高麗人参の歴史は古く、なんと6世紀以前にはすでに不老長寿の薬として朝鮮半島に存在してたと言われています。
また中国では「仙薬」「霊薬」と呼ばれ、古くから万能の生薬として珍重されていました。
書物としては、中国の医学者である陶弘景(とうこうけい・456年〜536年)が記した薬物学書である「神農本草経(しんのうほんぞうきょう」に、高句麗産の人参について記述が残っています
高麗人参は人工的な栽培が難しく、気温の変化が少なく水はけの良い土地であることが必須です。
野生に近い環境が重要で、土地作りに3年、栽培には6年かかり、さらに次の栽培まで10年土地を寝かせなくてはいけないため、生育にとても時間を要します
それ故に、希少価値が高いのです。
高麗人参には1年根〜6年根と等級があり、6年根が最高級。
3年以上のものは栄養価が高く、6年根は3年根の2倍の栄養価があります。
食べてみると、すぐにカラダが温まってきて、効果を体感することができます
薬膳的な効能は
○大補元気(だいほげんき)
体力や元気不足で虚弱になった場合、気を補います。
○補脾益肺(ほひえきはい)
胃の調子が悪く食欲不振、下痢、嘔吐の場合に鎮めます。
○生津止渇(せいしんしかつ)
体の水分や血液の減少で衰弱している場合、体内の水分バランスを整えます。
○安神益智(あんじんえきち)
元気や血液が不足するとイライラや不眠につながるため、精神安定を図ります。
韓方では気血水(きけつすい)のバランスを重視しています。
どれが多くても少なくてもダメで、どれもバランス良く体の中を巡るのが良いとされています。
特に高麗人参の効果は体が弱っているときに発揮するので、夏バテを回復させるのに最適です
高麗人参には独特の苦味がありますが、これがジンセノサイドと言うサポニンの一種で、生活習慣病や女性の更年期障害を予防するとも言われています。
手軽に摂取できるサプリメントも良いのですが、やはりおいしく食べながら健康を維持したいですよね。
そこで本日のレシピは、「高麗人参を使った肉巻き」のご紹介です。
高麗人参は塩で揉むと苦味が和らぎ、食べやすくなります
お肉との相性も良く、以前にもご紹介しました「意外に肉食」な韓国らしいレシピになっていますので、ぜひお試し下さい