こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
スーパーに行くと、いつからかパプリカをよく見かけるようになりましたね。
今ではすっかりお馴染みの食材として定着していますが、私が子供のときは見たことも、食べたこともなかった気がします。
それもそのはず。
パプリカは、オランダからの生鮮品輸入が解禁された1993年以降に日本に入ってきた食材のため、日本人からすると比較的、目新しい野菜なのです
ではなぜ近年、このように身近になったのか。
皆様はご存知でしょうか?
理由は大まかに2つあります。
ひとつは、食材としての使い勝手の良さです
赤や黄色、オレンジの色をしたパプリカは、料理の彩りにもってこいの食材です。
サラダなどの加熱しない料理にはもちろん、加熱しても退色することなく色鮮やかなため、炒め物、煮込み料理に入れても、料理がカラフルになり食欲をそそります
またピーマンよりも苦味がなく、青臭さも少ないので子供でも食べやすいことなどが、普及の理由となっているのではないでしょうか
もうひとつの理由は、韓国産の普及による価格低下によることです。
日本で流通するパプリカは、そのほとんどを輸入に頼っています。
パプリカは元々、オランダから輸入をしていましたが、輸送費などの影響で価格は高く、初めはなかなか手が届く食材ではありませんでした。
しかし2000年ごろから手頃な価格の韓国産パプリカが日本に輸入されるようになり、そこから急速に普及していきます。
2014年の財務省データによると、今では輸入の69.3%が韓国産となっています
ちなみに韓国では20年程前に、オランダから技術指導を受けて、パプリカの温室栽培をスタートしました
2000年には生産性向上や輸出促進のため、韓国パプリカ生産者自助会が設立。
韓国内需要の促進を目的とする他、位置関係から輸出のターゲットを日本に定め、衛生管理や流通経路を徹底させたのです。
こういった韓国側の働きがあり、日本では新鮮なパプリカが手に入りやすくなったことから、韓国産の輸入量が増えていったのでしょう。
生産国である韓国では、パプリカをどのように食べているのかですが、大まかには日本と同じで、サラダや炒め物に使います。
また韓国料理は青、赤、黄、白、黒の五色を使って一品に仕上げることが多いので、チャプチェやクジョルパンといった宮廷料理を現代風にアレンジした物にも、彩りとして使われます。
その他には輪切りにして、中にひき肉ダネを詰め、小麦粉と卵液をまぶして焼くチョンというチヂミ料理にすることも多いです。
このところ、韓国ではキウイの生産も急増し、日本へも輸出されるようになっています
その一方で、日本からはゴーヤなどが出荷され、韓国で売られているそうです
食の交流が活発なのは、両国にとって良い流れですね
それでは、本日のレシピです。
今回はパプリカを使った漬物、「パプリカの酢じょうゆ漬け(パプリカチャンアチ)」です。
韓国には昔からしょうゆを使った漬物があり、保存食としてよく食べられています。
本来はしょうゆを多く使うのですが、パプリカの色をきれいに見せるために、薄口しょうゆを少量にしました。
常備菜としてもおすすめですのでぜひ作ってみて下さい