こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
今年は、8月にリオデジャネイロ五輪が開催され、アスリートの皆さんが繰り広げた熱戦は、私達にたくさんの感動を与えてくれましたね
そんなアスリートのパフォーマンスを下げる一因に「貧血」があります。
健康そうなアスリートが貧血になるとは、ちょっと意外ですよね
実は、貧血と一口に言っても様々な種類や症状があるのです。
アスリートのみならず、汗をたくさんかく夏場は「貧血」に注意すべき季節だと言われています。
そこで今回のブログは、貧血の原因と食事で予防するポイントについてご紹介します。そもそも貧血とは、血液中の赤血球に含まれているヘモグロビンが減少した状態を指します。
ヘモグロビンが減少する原因は大きく分けて2つあるとされています。
ひとつがヘモグロビンの生産量が減少すること、もうひとつがヘモグロビンが破壊されることが原因です。
一般的に「貧血」の症状として知られているのは、貧血の7割を占める「鉄欠乏性貧血」というヘモグロビンの生産量が減少して引き起こされるものです
鉄欠乏性という名前の通り、ヘモグロビンの生成に不可欠な鉄分を、食物から十分に摂取できなかったり、汗をかくことで体外に排出されてしまったりすることで起こる貧血です。
女性の場合は月経による鉄分の喪失も原因のひとつと言われています。
ヘモグロビンが不足すると、身体を動かすのに不可欠な酸素が身体全体に十分に行き届かなくなり、疲れやだるさ、めまいなどの症状が出ます
また、アスリートに多い貧血に、「溶血性貧血」というものがあります。
これは、物理的にヘモグロビンが破壊されることが原因となるものです。
例えば、足の裏に長期間衝撃が加わり、足裏の毛細血管内で大量の赤血球が破壊されてしまうことが原因で、貧血が発症します。
マラソン、剣道、体操など足で強く踏み込んだり、繰り返し足の裏に刺激が加わったりする競技の選手に多くみられる貧血です。
アスリートの場合は、汗などで鉄分が体外に排出される量が一般の人より多いため、「鉄欠乏性貧血」、「溶血性貧血」共になりやすいのです。
ヘモグロビンの数が少なくなると、持久力が低下して競技の結果に影響が出てしまいますので、アスリートにとって貧血は大敵だと言えるでしょう
貧血の予防や改善には、鉄分を多く含む食品を摂ることはもちろんですが、身体が鉄分を吸収しやすくすることもポイントです
鉄分の吸収を良くするには、たんぱく質やビタミンCを一緒に摂るよう心がけましょう
例えばおすすめなのが上記の画像、ローストビーフのサラダ。
牛肉は鮮やかな赤色をしていますが、これは鉄分を多く含んでいるためです。
牛肉や魚介類などの動物性の食品に含まれている鉄分は、身体への吸収が良いヘム鉄が多いのが特徴です。
赤身の牛肉には、良質のたんぱく質が豊富に含まれており、たんぱく質は鉄分と共にヘモグロビン生成の材料になります。
さらに、鉄分はビタミンCやクエン酸を含む食品と組み合わせると、吸収率がアップするので、牛肉を使ったローストビーフとビタミンCが豊富なレタス、トマトとの食べ合わせは貧血予防にオススメの一品という訳なのです。
逆に、コーヒーや緑茶に含まれる「タンニン」という成分や「炭酸」を含む飲料
は、鉄分の吸収を妨げますので、食事と一緒に飲むのは控えると良いでしょう。
また、食物繊維は鉄分の吸収率を低下させるため、貧血ぎみの方は摂り過ぎにご注意下さい
まだまだ汗をかくような暑い日が続きます。
疲れやだるさを感じたら、それは鉄分が不足しているためかも知れません。
日ごろの食事を見直して、貧血を予防するメニューを考えてみてはいかがでしょうか?
さて今回は、鉄分が豊富な赤身の牛肉を使った「ローストビーフ丼」をご紹介します。
ローストビーフは、オーブンで焼く方法ではなく、フライパンひとつで簡単にできるようアレンジしました。
食欲が落ちる時季だからこそ、しっかりお肉を食べて残暑を乗り切りましょう
ぜひお試し下さい