こんにちは、料理家の野上優佳子です。
楽しかった夏休みが終わり、子供たちは新学期、大人たちは通勤
と忙しい毎日が始まった方もたくさんいらっしゃることと思います。
色々なことに気を回し忙しくて、食事にかける時間を削ってしまっていませんか?
朝からバタバタ 、帰宅後はクタクタ
…という日が続いて疲労が溜まり、ついつい食事がおろそかになってしまうことも
そんな忙しい人にオススメなのが、クスクスです!!
クスクスとは、世界最小のパスタとも呼ばれる、デュラムセモリナ粉と水を合わせて粒状に加工した物です。
日本ではまだなじみが薄く、調理の仕方もあまり知られていないため、購入するのをためらう方も多いようですが、実は「短時間で簡単に調理できる食材」なのです
どれ程簡単かと言うと、ご飯を炊いたり、うどんやスパゲティをゆでたりするよりずっと簡単。
クスクスを蒸す専用鍋もありますが、火の通りが早いので、ボウルなどの器に入れ、熱湯をかけてラップをして10分程蒸らすだけでOK
炊いたりゆでたりする手間もなく、食べられる状態に戻ります。
クスクスの発祥地である北アフリカでは、蒸して戻した物を肉や野菜のスープ、ルーに添え、主食として食べるのが一般的です。
国や地域によっては、クスクスを使った料理を「クスクス」と呼ぶこともあるのですが、日本では粒状パスタそのものを指すことが多いので、このブログでは粒状パスタそのものを「クスクス」とします
クスクスは、北アフリカから中東にかけての地域、フランス、イタリアなどのヨーロッパ、及びブラジルなど広範囲で食べられており、特にフランスでは国民食のひとつとして浸透しています
これは、クスクスを主食とするモロッコやチュニジアなどの北アフリカが、フランスによって植民地支配されていたことが背景にあります。
北アフリカからの移民がフランスに渡る際にクスクスを持ち込み、そのおいしさが伝わって多くの人が食べるようになったのです。
フランスで、クスクスを使った代表的な料理に「タブレ」という物があります。
これは蒸したクスクスにたくさんの野菜やハーブを混ぜて、オリーブオイルや塩こしょうで味付けしたサラダのようなお惣菜。
フランスのスーパーではでき合いのタブレが何種類も売られる程、よく食べられている料理です。
クスクスのつぶつぶ食感と野菜のみずみずしさ、そしてハーブの豊かな香りは、日本人の口にもよく合います。
さっぱりとしていて食べやすく、野菜もたっぷり摂れるので、食欲のないときにおすすめです。
そこで今回は、このタブレのレシピ「小エビとクスクスのサラダ」をご紹介します。
クスクスにたっぷり野菜とエビを混ぜたカラフルなサラダ。
クスクスを初めて調理する方でも、簡単においしくできます
ぜひお試し下さいね
こんにちは!料理家のひろろこと竹内ひろみです。
まだまだ日中は厳しい暑さが続きますが、朝晩はしのぎやすくなり、夕方の風にあたると秋を感じるようになってきました
暑い夏場は生野菜や冷たい麺類など、体をクールダウンする食べ物が中心だった方も多いと思います
冷たく、みずみずしい食材は水分が多く含まれており、汗をたくさんかいて水分がどんどん体の外に出ていく季節にはぴったりです。
しかし秋以降は汗をかく頻度が減るので、徐々に体内に水分を蓄える必要がなくなってきます。
そのため、秋口以降も同じように水分たっぷりの野菜を摂る食生活を続けていると、体の中に余分な水分が溜まり、急に寒くなったときなどに体が冷えやすくなってしまうのです
冷えは万病のもととも言われるぐらい、私たちの体に様々な影響を与えます。
例えば、冷えが原因で風邪を引いてしまったり、肩こりがひどくなったり、腰痛を引き起こしたりすることもあるので注意が必要です
この季節は、秋口に旬を迎える野菜や穀類を上手に取り入れ、生野菜だけでなく、汁物や煮物など火を通して作るお料理も食卓に並べると良いでしょう
加熱することによって余分な水分が減ったり、栄養素の吸収が良くなったりするので体にも優しくなります
また、秋以降を元気に過ごすため、胃腸の調子を整えることも大切です。
冷たい物の食べ過ぎで消化能力が落ちているときは、温かい物や火を通してやわらかくなった物を少しずつ頂くと良いでしょう
消化の良い物を食べることで、胃腸への負担が和らぎます。
また、栄養素(糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維)をバランス良く摂取することは基本ですが、特にこの時期はビタミンB1を意識して摂るようにすることも体の調子を整えるポイントになります
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える「代謝」を助ける働きがあるため、疲労回復に効果がある栄養素です。
そのため夏バテなどで体が弱っていると感じたときには、積極的にビタミンB1を摂ることが重要になります
またビタミンB1は、アリシンという成分と共に食べると、吸収率がアップします
疲れやだるさを感じたら、ビタミンB1が多く含まれる豚肉やうなぎ、玄米、枝豆などと一緒に、アリシンを多く含むタマネギやニンニク、ニラなどを合わせたメニューにしてみてはいかがでしょう
ぜひ夏の疲れを残さず、秋を迎えて下さいね
それでは今回は、夏野菜たっぷりの「ゴマ混ぜごはんの野菜あんかけ丼」をご紹介します。
焼いた夏野菜をたっぷり入れたあんは、夏バテ気味のときにも食べやすいアッサリとした味わい
ご飯に混ぜたゴマの風味がアクセントの、ヘルシーなワンディッシュです。
ぜひお試し下さい
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
日本でもよく知られている韓国料理のひとつに、ゆでた春雨を野菜や肉と炒め合わせた「チャプチェ」という物があります。
調理も比較的簡単なので、家庭料理として親しまれていますが、韓国では結婚式や誕生日など、お祝いの席に欠かせない料理になっています
春雨の形状が長いことから、長く幸せが続きますように、長生きできますようにと言う願いが込められているのです。
チャプチェは、韓国料理の基本概念である陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)に基づいて、五色(青もしくは緑・赤・白・黒・黄)の食材を使って作られています。
韓国では、五色の食材を一緒に食べることで、栄養のバランスが取れるといった考え方があるので、健康面に配慮した料理だとも言えるでしょう
チャプチェは宮廷料理として、17世紀の朝鮮時代に生まれたと言われています
当時、15代国王である光海君(クァンヘグン)に、特別な料理を献上していた李沖(イチュン)という貴族がいました。
李沖は王のために数々の料理を献上していましたが、中でもチャプチェが気に入られ、そのおかげで昇進できたという逸話もある程です
チャプチェは漢字で「雑菜」と書き、「雑」という漢字には「混ぜる、集める、多い」などの意味があります。
宮廷料理だった頃のチャプチェは、色々な食材を千切りにして炒めた物に、キジ肉で取ったスープを韓国味噌で味付けして、小麦粉でとろみを付けた物を掛けていました。
この頃のチャプチェは、現代で親しまれている物とは違い、食材に春雨が含まれていなかったのです。
実は、チャプチェに春雨を使うようになったのは、20世紀に入ってから
多くの方がチャプチェ=春雨料理だと思われているようですが、1930年代に春雨が中国から伝わり、朝鮮半島で作られるようになってから、チャプチェは現在の形に変わったのです。
チャプチェはしょうゆで味付けられており辛くありません。
そのため日本のみならず世界中で人気があります。
韓国料理はとても辛いイメージが強いのですが、宮廷料理を始めとした歴史のある料理は、ほとんどが辛くない物なので、こういった料理をもっと知って頂きたいなと思います
また機会がありましたら、他の宮廷料理もお伝えしますね
楽しみにしていて下さい
さて本日の料理は、生野菜をたっぷり使った「チャプチェサラダ」です。
サラダ仕立てにしたチャプチェに、お酢を利かせたドレッシングの組み合わせはさっぱりとした味わい。
春雨も野菜も低カロリーなので、摂取カロリーが気になる方におすすめの一品です。
ぜひお試し下さい
こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です。
今年は、8月にリオデジャネイロ五輪が開催され、アスリートの皆さんが繰り広げた熱戦は、私達にたくさんの感動を与えてくれましたね
そんなアスリートのパフォーマンスを下げる一因に「貧血」があります。
健康そうなアスリートが貧血になるとは、ちょっと意外ですよね
実は、貧血と一口に言っても様々な種類や症状があるのです。
アスリートのみならず、汗をたくさんかく夏場は「貧血」に注意すべき季節だと言われています。
そこで今回のブログは、貧血の原因と食事で予防するポイントについてご紹介します。そもそも貧血とは、血液中の赤血球に含まれているヘモグロビンが減少した状態を指します。
ヘモグロビンが減少する原因は大きく分けて2つあるとされています。
ひとつがヘモグロビンの生産量が減少すること、もうひとつがヘモグロビンが破壊されることが原因です。
一般的に「貧血」の症状として知られているのは、貧血の7割を占める「鉄欠乏性貧血」というヘモグロビンの生産量が減少して引き起こされるものです
鉄欠乏性という名前の通り、ヘモグロビンの生成に不可欠な鉄分を、食物から十分に摂取できなかったり、汗をかくことで体外に排出されてしまったりすることで起こる貧血です。
女性の場合は月経による鉄分の喪失も原因のひとつと言われています。
ヘモグロビンが不足すると、身体を動かすのに不可欠な酸素が身体全体に十分に行き届かなくなり、疲れやだるさ、めまいなどの症状が出ます
また、アスリートに多い貧血に、「溶血性貧血」というものがあります。
これは、物理的にヘモグロビンが破壊されることが原因となるものです。
例えば、足の裏に長期間衝撃が加わり、足裏の毛細血管内で大量の赤血球が破壊されてしまうことが原因で、貧血が発症します。
マラソン、剣道、体操など足で強く踏み込んだり、繰り返し足の裏に刺激が加わったりする競技の選手に多くみられる貧血です。
アスリートの場合は、汗などで鉄分が体外に排出される量が一般の人より多いため、「鉄欠乏性貧血」、「溶血性貧血」共になりやすいのです。
ヘモグロビンの数が少なくなると、持久力が低下して競技の結果に影響が出てしまいますので、アスリートにとって貧血は大敵だと言えるでしょう
貧血の予防や改善には、鉄分を多く含む食品を摂ることはもちろんですが、身体が鉄分を吸収しやすくすることもポイントです
鉄分の吸収を良くするには、たんぱく質やビタミンCを一緒に摂るよう心がけましょう
例えばおすすめなのが上記の画像、ローストビーフのサラダ。
牛肉は鮮やかな赤色をしていますが、これは鉄分を多く含んでいるためです。
牛肉や魚介類などの動物性の食品に含まれている鉄分は、身体への吸収が良いヘム鉄が多いのが特徴です。
赤身の牛肉には、良質のたんぱく質が豊富に含まれており、たんぱく質は鉄分と共にヘモグロビン生成の材料になります。
さらに、鉄分はビタミンCやクエン酸を含む食品と組み合わせると、吸収率がアップするので、牛肉を使ったローストビーフとビタミンCが豊富なレタス、トマトとの食べ合わせは貧血予防にオススメの一品という訳なのです。
逆に、コーヒーや緑茶に含まれる「タンニン」という成分や「炭酸」を含む飲料
は、鉄分の吸収を妨げますので、食事と一緒に飲むのは控えると良いでしょう。
また、食物繊維は鉄分の吸収率を低下させるため、貧血ぎみの方は摂り過ぎにご注意下さい
まだまだ汗をかくような暑い日が続きます。
疲れやだるさを感じたら、それは鉄分が不足しているためかも知れません。
日ごろの食事を見直して、貧血を予防するメニューを考えてみてはいかがでしょうか?
さて今回は、鉄分が豊富な赤身の牛肉を使った「ローストビーフ丼」をご紹介します。
ローストビーフは、オーブンで焼く方法ではなく、フライパンひとつで簡単にできるようアレンジしました。
食欲が落ちる時季だからこそ、しっかりお肉を食べて残暑を乗り切りましょう
ぜひお試し下さい