こんにちは。野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。
さて、みなさんに質問です。豆腐に旬はあると思いますか?
はい、この答えはYESですね。
豆腐は一年中店頭に並ぶ食材なので、旬の感覚が薄くなりがちですが、大豆の旬=豆腐の旬となります。
そういう訳ですので、国産大豆の旬を知る必要がありますね大豆の旬はいつなのか?
秋から冬にかけて国産大豆は旬を迎えます。
秋に収穫されたあと、乾燥させて余分な水分を飛ばすことで、おなじみのあの丸い大豆の状態になるのです。
こうしてできた新物の大豆で作られた豆腐は、栄養価が豊富で風味も良くなるとのこと。
なじみの豆腐屋さんにこの件について聞いてみたら、同じようなことを言っており、なんでも、「同じ大豆でも、新しい大豆の方がパワーがある!」とのことでした。
つまり、今がちょうどその時期に当たるようですね。
とは言え、豆腐屋さんによって新物大豆が入荷される時期にバラツキがあるので、旬豆腐を食べられる時期を明言できる訳ではありません。
ですが、旬の豆腐は冬から春のはじめくらいに食べられるようです。同じ大豆でも時期が違えば豆腐の味も違うもの
私も大豆から豆腐を作ったとき、同じことを体感したものです。
それは冬のこと。
手に入れたばかりの大豆から豆乳を絞り、豆腐にしたら、甘くてふわふわの仕上がりになって感激しました。
それは本当においしくて、私の手作り豆腐では歴代1位のおいしさだったと言えるほど。
「この感動をもう一度!」 と思い、夏に同じ大豆で作ったところ、甘みがそれほど引き出されなくて、がっかりしたものです。
同じ材料を使っているのにもかかわらず、なぜ味が再現できないのか分かりませんでしたが、そのあと、豆腐屋さんに「大豆が古いと甘みが抜けちゃうよ」と教えられ、そこで初めて大豆の旬と豆腐の味の関係に気付いたのです。大豆の風味を落とさず保存する方法
大豆の鮮度は大事だということが分かったところで、せっかくなので大豆の正しい保存方法もお伝えします。
大豆は、適切に保管しておけば味は落ちにくくなるので、袋にぴっちりと密閉し、野菜室などで冷蔵保存すると良いです
これは、大豆が春に芽を出すサイクルにあるので、気温が高い場所に保管していると、芽を出す準備がはじまってしまうからです
芽を出すには、栄養分(たんぱく質など)が発芽の準備に使われるので、味や鮮度が低下してしまうのです。だから、冷蔵保存なのですね。
ちなみに冷蔵していない大豆の賞味期限は半年ほどと言われています。
また保存するときは、タッパーなどの箱よりも、空気を抜いて密閉できる袋がベスト。これは大豆から水分が蒸発し、乾燥してしまうのを防ぐためです。春にぴったりの豆腐メニュー「豆腐春巻き」
春先のパワーあふれる豆腐で、春らしいメニューを作りたいですよね。
そこで、今回のレシピは、「豆腐春巻き」をご紹介致します
具材は大人向きと子ども向きの「エビと菜の花」と「エビとワカメ」の2種類を作ります。
パリパリの皮のなかに、ソフトな豆腐と甘いエビが閉じ込められていて、新感覚の味を楽しめますよ
ぜひお試し下さい
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
ソウルの街を歩いていると、特定のエリアに専門店が軒を連ねています。日本で例えるならば、中華街やコリアンタウン。
ただ、ソウルの場合、ひとつの料理を専門とする店が立ち並ぶ横丁が多く、横丁の地名が付いた韓国料理が有名です。
今回は、ソウルの地名が付いた韓国料理をご紹介致します。

新堂洞(シンダンドン)+餅炒め(トッポッキ)
トッポッキは、餅の他に、野菜や牛肉がたっぷりと入り、しょうゆで味付けした炒め物で、甘辛い味の屋台料理として浸透していますが、もともとは朝鮮時代の高級な宮廷料理です。
1953年、現在のおやつとして食べられる、「甘辛いトッポッキ」が中華料理店で食べた餅にヒントを得た女性によって、編み出されました
新堂洞(シンダンドン)でリヤカーを引いて販売をはじめたところ、人気が高まり、甘辛いトッポッキを商売にする店が同エリアに集まって、「新堂洞トッポッキ」と呼ばれるようになったのです。
今では、韓国全土に広まり国民食となっている甘辛いトッポッキは、「新堂洞トッポッキ」としてブランドとなりました新林洞(シンリムドン)+腸詰め(スンデ)
スンデは、豚の小腸に春雨、野菜、餅米などを詰めて蒸す料理です。
6世紀の中国の農書「斉民要術」に羊の腸詰めの記述があったことから、中国から北朝鮮に伝わったと考えられます
1809年に刊行された「閨閤叢書(キュンハプチョンソ)」には、豚スンデの作り方が紹介されています。
北朝鮮の郷土料理となったスンデは、朝鮮戦争をきっかけに南側に避難した北部出身者が韓国に広めました。
ちなみに、新林洞スンデが誕生したのは、1970年代にスンデの専門店が集まりはじめたのがきっかけです。
ソウルで一般的なスンデの食べ方は、シンプルに塩を付けてお酒のおつまみにしたり、野菜と一緒に炒めてご飯のおかずにしたり、スープに入れて二日酔い覚ましの朝食として食べられました。楽園(ナゴン)+餅(トック)
観光客に大人気の仁寺洞(インサドン)近くに、楽園洞(ナゴンドン)と言うエリアがあります。古くからある餅屋さんは朝の7時から営業をスタートします。
朝鮮時代の後期に王様の食事を担当していた尚宮(サングン)たちが、1920年代に楽園洞で伝統餅店を開業したあと、尚宮から直接指導を受けた男性が餅屋を開き、その味を認められました。
そのあと、大統領府にも納品するようになり、極々自然な流れでこの街で餅屋を開業する人たちが集まったため、楽園洞で餅が有名になったのです。
現在、昔に比べて餅店の数は減少しましたが、日本のコリアンタウンでも「楽園」と名前を付ける韓国餅屋さんがあるほど有名ですよ。
上記以外には、
■東大門(トンデムン)+鶏一羽鍋(タッカンマリ)
■奨忠洞(チャンチュンドン)+豚足(チョッパル)
■武橋洞(ムギョドン)+タコ炒め(ナクチポックム)
■新沙洞(シンサドン)+ワタリガニのしょうゆ漬け(カンジャンケジャン)
■麻浦(マポ)+豚カルビ(テジカルビ)
などと、ソウルの地名が付いた韓国料理は数多く存在します。
どの料理も比較的どこでも食べられるのですが、地名が付くとプレミア感がありますね
さて、本日のレシピは、楽園餅にちなみ、「黒ゴマ餅(フギムジャトック)」をご紹介致します
本来は蒸し器を使うのですが、今回は簡単にできるように電子レンジを使用しました。
皆さんも、お気軽にお試し下さい

こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です

近年韓国の台所は、日本と同様に電力化が進み、ますます便利になっています。
とは言え、冬の寒さが厳しい韓国では、「温突(オンドル)」と言う床暖房施設が5世紀頃の三国時代からあったため、昔の台所事情が日本とは異なりました

今回は、「韓国における台所の変遷」について、各時代ごとにご紹介したいと思います



温突のある台所は、土間が他の部屋よりも一段低い場所にあります

と言うのも、温突は、薪や藁をくべて煮炊きしたときに発生した煙を、床下の煙道に通すことで床が温まる仕組みと、煙道が「¬」の字形で、家の片隅にある仕組みであるため、台所は温突と切り離せないからです。
そのため、冬は暖房代わりとして、調理をしないときでも火を焚き、床下は板石で土台を築き、きちんと火災予防の対策も取られていました。
ちなみに、韓国では台所のことを「釜屋(プオク)」と言います。

三国時代に貴族の家庭だけで使用されていた温突は、この頃には庶民にも普及されます


釜屋が家の中心に置かれ、各部屋に煙道が通るようになります。
食器棚には食器や燃料を置いたり、水瓶を備え付けて水を保管したりするため、中二階を作る場合も多くありました

釜屋の釜台は、「飯釜」や「汁釜」など、2〜3つに分けられた大釜が設置され、その大釜は鉄製で熱伝導が遅い一方、一度熱くなると冷めにくいため、重宝されます

また、大釜でご飯を炊くときは、米の中心に味付けした卵液をいれた容器を置き、ご飯と一緒に茶碗蒸しを作るといった工夫がなされていました

さらに、大釜の蓋は、持ち手を下に向けて、魚やチヂミを焼くフライパンとしても使用されたそうです

ちなみに、貴族階級の家には、台所の横にチャンバンと言う納戸を設置し、祭器などを保管しました。

温突は、台所機能がなくなり、床暖房だけが受け継がれていますが、床暖房は温水を循環させる仕組みへと変わりました。
日本も昔は土間の台所でしたが、暖房設備は囲炉裏やコタツですよね

それぞれの文化の違いは、知れば知るほどおもしろいです

さて、本日のレシピは、大釜の蓋で焼くチヂミ「レンコン海鮮チヂミ」をご紹介致します

通常は酢醤油で頂くのですが、知り合いの韓国料理店のシェフから、塩で食べるチヂミを教えて頂きましたので、今回採用しました。
皆さんも、ぜひお試し下さい


こんにちは!
管理栄養士/フードコーディネーターの吉田由子です

今年は、新型コロナウィルス感染症「COVID-19」の世界的な流行がみられ、心配な日々が続いていますね。
1日も早い終息を願います。
職業柄、栄養や健康に関する相談をされることが多いのですが、今年のように感染症が流行すると決まって「何を食べれば病気を防ぐことができますか?」と聞かれます

まずは、日々の食事でバランス良く栄養を摂り、腸内環境を整え、免疫力を上げておくことが重要です。
ただし、流行がはじまってから、急に何かひとつの食品をたくさん食べても、感染症を防ぐ効果は低いと考えます。
昨今、テレビやインターネットなど、様々な媒体から情報が流れてきますが、なかには間違った情報や、誇張された情報も多く含まれています

そのため、情報をしっかりと精査し、人ごみを避けて、手洗い、うがいをしっかりと行ない、バランスの良い食事と睡眠をしっかり取ることが感染予防には大切です。
感染症予防の基本を踏まえたうえで、管理栄養士としてオススメしたい食材は、「旬の食材」

旬の食材は栄養価が高く、身体のバランスを整える効果が期待できるので、旬の食材を食卓に取り入れることは、身体を健やかに保つうえで大切なポイントとなるでしょう




カロテンよりも抗酸化作用が高い、βクリプトキサンチンを多く含むことが注目されており、ビタミンCとの相乗効果で感染症予防や免疫力を高める効果が期待できます

また、白い薄皮には、毛細血管を強くし、動脈硬化の予防に効果が期待できるビタミンPが含まれているので、みかんなど、皮の薄い物は皮ごと召しあがるのがオススメですよ。
かんきつ類は、温州みかん、バレンシアオレンジ、せとか、ネーブルなどの「みかん、オレンジ類」と、グレープフルーツ、夏みかん、スウィーティー(オロブランコ)、メロゴールド、はっさく、伊予柑、バンペイユなどの「雑柑、グレープフルーツ類」に分けられます。
昨今では、ミカン×オレンジ=きよみ、文旦×グレープフルーツ=メロゴールド、スウィーティー(オロブランコ)など、様々なかんきつ類同士が掛け合わされ、新しい品種が生まれていますよ


一部のかんきつ類には、「身体のなかで薬を分解する酵素」の力を抑える成分が含まれているため、薬の分解がうまくいかず、身体に薬が蓄積し、副作用が出る恐れがあります。
例えば、高血圧の薬では、血圧が下がりすぎるために「めまい」や「ふらつき」などの、低血圧症状が現れる可能性があるのです

薬との飲み合わせに注意が必要なかんきつ類は、グレープフルーツ、文旦、はっさく、夏みかんなどがありますが、上記でご紹介したように、他にグレープフルーツと掛け合わせた品種もありますので注意が必要です。
また、グレープフルーツ果汁のジュースも避けるようにしましょう

一方で、バレンシアオレンジ、温州みかん、デコポン、伊予柑、ゆず、カボス、キンカン、すだちなどは薬に影響する成分をほとんど含まないため、召しあがって頂いても大丈夫です

薬との飲み合わせで迷われたときは、管理栄養士や薬剤師にご相談下さいね

さて、今回ご紹介する「オレンジとチキンのパエリア風」は、オレンジ風味のさわやかなパエリア風の炊き込みご飯です。
炊飯器で手軽に作れますのでぜひお試し下さい

