こんにちは、野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。
豆腐はそのままでもおいしく、調理してもおいしいですよね

またメインや、サブのおかずとしても合います

それもこれも、豆腐は味が淡白で、どんな調味料や素材と合わせても、馴染む懐の深さがあるからだと思います。
豆腐は万能ですね


さて、様々な料理に使える豆腐ですが、「豆腐餅」をご存じでしょうか?
豆腐の粒が残らないくらいにつぶし、片栗粉と合わせて加熱すると、やわらかい餅のような食感になります

これを「豆腐餅」と呼ぶのですが、お手軽で安いので、いろんなところで紹介されているようです

豆腐と片栗粉で餅になると言われると疑いたくなりますが、作ってみてびっくり

なんとわらび餅に似た物ができあがります


片栗粉と言えば、あんかけや汁物に、とろみを付けるときに活躍しますよね。
ご存じの方もいると思いますが、片栗粉を温かい汁に直接投入すると、粉の部分が、でろんとした透明の塊になります。
なので、片栗粉を同量の水で溶いてから少しずつ汁に投入し、焦げ付かせないように混ぜながら加熱することで、とろみになります。
これは、片栗粉のでんぷんが65℃以上になると、固まる性質があるからなのです。
豆腐餅を作るときはこの性質を利用します







原材料が豆腐と片栗粉なので、もち米と比べて糖質の少ない仕上がりになります

電子レンジで作ることもできますが、やわらかさの調整がしにくいので、鍋の方をオススメします。
話は逸れますが、片栗粉の正体をご存じでしょうか?
実は片栗粉は「馬鈴薯(ばれいしょ)のでんぷん」で、カタクリのでんぷんではありません

片栗粉は、もともと野山に自生する、「カタクリの花(ユリ科)の根」から取れるでんぷんが使われていたのです。
しかし、現在はカタクリの自生が減少したことと、安く大量に出荷されている「馬鈴薯のでんぷん」の形状・性質・用途が、片栗粉に似ているため、馬鈴薯のでんぷんが使われるようになりました。
今回ご紹介した「豆腐餅」は、好きな物と合わせて食べてみて下さい。
ここではきな粉をまぶしましたが、しょうゆとのりでいそべにしたり、あんを添えたり、汁物に入れてもおいしいです

