江戸野 陽子先生のブログ
こんにちは。野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。
豆腐には、薬味と調味料が欠かせませんよね。
定番は、ネギとしょうゆ。冷奴なら、たっぷりの刻みネギとショウガのすりおろしにしょうゆ。湯豆腐なら、たっぷりの刻みネギとかつお節。
最近はバリエーションも増え、塩とオリーブオイル、ゆずこしょうとしょうゆ、ダイコンおろしなどや、レモンをきかせた洋風ドレッシングもおいしいと評判で、豆腐の食べ方がどんどんと広がっていることを日々感じています
このように、薬味が豆腐のおいしさを引き立てることはよく知られていますが、「味噌とわさびの組み合わせ」を試したことはありますか?
以前もこちらでお話ししたことがあるのですが、江戸時代に書かれた豆腐料理のレシピ本、「豆腐百珍」(※1)には、豆腐に様々な薬味を合わせた料理が紹介されています。
なかでも私の心に残ったのは、わさび味噌を添えて頂く食べ方です。
豆腐とわさびは刺身感覚ですし、豆腐に味噌は田楽でもおなじみですが、「わさびに味噌」と言うのは初めて
実は、このわさび味噌、100品ものレシピがある中、下記の5品に添えられている頻出素材なのです。
■敷き味噌豆腐:茶碗にわさび味噌を敷いて、その上に温めたおぼろ豆腐と花かつおをかける
■雲かけ豆腐:くず粉をまぶした豆腐を蒸して、わさび味噌を添える
■引きずり豆腐:葛湯で煮た豆腐を、わさび味噌を塗った茶碗に盛る
■茶豆腐:お茶で煮た豆腐をしょうゆとかつお節で味付けして、わさび味噌で頂く
■揚げ流し:揚げた豆腐をゆでて油抜きし、わさび味噌で頂く
そこで、これはきっとおいしいと思い、豆腐にわさび味噌のレシピを試してみました。わさび味噌とは、味噌に白ゴマとクルミをよくすり合わせておいて、食べる直前にわさびのすりおろしを入れた物のことです。
作ってみたところ、香ばしい味噌に、キリッとしたわさびの風味がアクセントとして加わった味わいに
せっかくなので、さっぱりと頂く一品にアレンジしたいと思い、わさび味噌ドレッシングにして、サラダ風に仕上げてみました。
豆腐、野菜とわさび味噌の組み合わせは、コクがあってさっぱりで濃厚。しかも豆腐の味が際立ちます
大人向けの味だと思いますが、お好みの豆腐と野菜で、お試し頂けたらと思います。
さて、本日は、クルミとゴマの香ばしさにわさびのピリッとした辛みがアクセントの一品、「豆腐のサラダ わさび味噌ドレッシング」をご紹介します
皆さんも、ぜひお試し下さい
(※1)「豆腐百珍」とは、1782年に出版された豆腐レシピが100品紹介されているレシピ集。好評を博し、豆腐百珍続編、豆腐百珍余禄も出版されている。