2019/10/28
こんにちは!韓国料理研究家の本田朋美です。
韓国で「豚」は縁起の良い動物と言われています。
日本と同様に韓国にも干支がありますが、亥年はイノシシではなく豚

豚は、特にお金とのかかわりが強く、夢に登場すると大金持ちになれるという言い伝えがあるのです


朝鮮半島では、紀元前から豚を食用に飼育し、食べられない皮で服を作ったり、油を体に塗って寒さを乗り越えたそうです。
また、葬儀のときに豚を棺の上にのせて、亡くなった方への食料に見立てる習慣もありました

朝鮮時代の後期には、旧暦の1月15日に「福裏(ポッサム)」と言う、白菜の葉や、のりでご飯を包む料理を、その年の豊作を祈って食べました。
現代では、「福包(ポッサム)」と言う豚肉料理がありますが、このポッサムは、ゆでた豚肉を葉物野菜で包んで食べる物。
包んで食べる方法は、豚肉の他にも、ご飯や牛肉、海鮮など多岐に亘りますが、福包が豚肉料理として浸透しているのは、豚の縁起の良さが関係していると言えるでしょう。
ポッサムが必ず登場する行事が「キムジャン」。
キムジャンとは、11〜12月にかけて越冬用のキムチを数ヵ月分にまとめて漬ける風物詩で、家族の多い家庭では100株近くも作ることがあります

キムチ用の白菜の塩漬けや、できたてのキムチに豚肉をまいて食べると、疲労も一気に回復し、幸せな気持ちになりますよ

ポッサムは、まさに福をもたらす料理ですね

さて、今回は豚肉を使った、「豚クッパ(テジクッパ)」をご紹介致します。
本来は豚骨でスープを取りますが、扱いが大変なので豚の塊肉を使い、すっきりとした味わいに仕上げました。
皆さんも、釜山の郷土料理で至福の時間をお過ごし下さい

