江戸野 陽子先生のブログ
こんにちは
野菜と豆腐の料理家、江戸野陽子です。
今年も豆腐の魅力について、たくさんお話しできたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします
早速ですが、豆腐の魅力と言えば「大豆」の話は外せません。
豆腐の原材料である大豆は、味を左右する決め手と言っても過言ではないでしょう。
昨年、岡山で第5回全国豆腐品評会が開催されましたが、そこで集結した全国トップクラスの味を誇る豆腐たちのどれもが、こだわりの大豆で作られていました。
使っている物は、地元で作られている地域限定の大豆だったり、全国的に知られている銘柄大豆だったりと、本当に様々です。
ズラリと並ぶ豆腐を味見して、これからは大豆のことを伝えたいと思いました。パッケージから大豆の表記を確認してみよう!
大豆の品種で豆腐を選んでいる人は、それほどいないのではないかと思いますが、じつは条件は揃っています。
手元に豆腐があれば、パッケージにどんな大豆が記載されているのか見てみて下さい
「国産大豆」、「カナダ産大豆」、「アメリカ産大豆」などの、大豆の産地を記載している物もあれば、「とよまさり」、「フクユタカ」、「サチユタカ」など、大豆の品種を記載している物もあります。
そして、さらに詳細な物となると、「北海道産とよまさり」、「九州産フクユタカ」と言った具合に、地域と産地が記載されている物もあるでしょう。
このように、パッケージから大豆の情報が発信されています
しかし、大豆の種類が分かったところで、味は相当ツウな方でない限り分かりにくいのではないでしょうか。
それでも、イチゴは品種名を言えば味が想像できるし、お米はブランド名と産地を聞けば、その価値が分かる方がいるように、種類で味が判断できる物もあるので、豆腐における大豆も、そういった風潮になったら良いなと思っております。
では、実際に豆腐と大豆と味の関係についても解説していきましょう。どの大豆の豆腐がおいしいの?
どんな大豆でも豆腐は作れますが、「甘み」と「タンパク質」の両方が多い大豆から、おいしい豆腐が作れると言われております。
「甘み」とは、糖分の量のことで、豆腐の甘さに直結します。
昨年の豆腐品評会では、宮城県産「ミヤギシロメ」を使っている豆腐が多く見られました。
じつは宮城県は、大豆の栽培面積が2位
なかでも「ミヤギシロメ」は、味と風味が良く、県では奨励品種(普及してほしい品種)に指定されている大豆です。
この大豆は、ショ糖含有量が8.1(乾物中の%)で、他の大豆が5.0〜8.0であることから比べると、なかなか高い数値を誇っています
さて、数値の話よりも実食した話をしますね。
100品以上の豆腐が出品されているなか、7品ほどが「ミヤギシロメ」を使っており、そのどれもが強い甘みとコクがあり、ひと口でそのおいしさが分かるほどの味です。
そして私に「ミヤギシロメ」はおいしい、という印象を強く残しました私のおすすめの大豆
ちなみに、個人的なオススメの大豆は、枝豆の風味を思わせる緑豆の「キヨミドリ」。
ゆでたての枝豆のようなあと味で、強い味わいがお気に入りです
次に、兵庫と岡山で作られている「もち大豆」。
これは、限られた地域でしか作られていない大豆なのですが、甘みとコクをかね備えており、満足するおいしさを持つ豆腐だと思っております。
今お話しした2つの大豆は、豆腐屋さんで扱っていることが多いので、スーパーなどで購入するのなら、「北海道産とよまさり」の豆腐や、「九州産フクユタカ」の豆腐がオススメです。
いずれも、高い糖分を持つことで知られており、たくさん作られているので、手頃なお値段で手に入ります。
大豆の甘みをしっかりと感じることができるので、オススメですよ
今回は、豆腐の風味を存分に味わえる「豆腐のあんかけ」をご紹介致します
絹ごしでも木綿でも、お好みの豆腐を用意しましょう。
写真は、私オススメのキヨミドリの豆腐で作っています。
豆腐はパッケージから取り出したら、一度キッチンペーパーの上に取り出して水分を吸わせましょう!
こうすることで、豆腐から出てくる水分で味が薄まることを防止できます。
食べる直前に、電子レンジで温めていますが、蒸し器があればそれでもOKです。
仕上げに出汁をきかせたあんかけと、たっぷりの薬味を乗せて頂きます!温かい豆腐にあんが絡まって、豆腐のおいしさを実感できますよ