2020/04/27
こんにちは!
韓国料理研究家の本田明美です

2005年、日本の地上波で韓国ドラマ「宮廷女官チャングムの誓い」が放映され、最終回の視聴率は約20%という高い数字を挙げました

ドラマをきっかけに、韓国や韓国料理に興味を持たれた方がたくさんいらっしゃいます

朝鮮時代独特の世界観、手に汗握るストーリー展開、俳優陣の演技力、そして、韓国料理にフォーカスしたドラマが日本人に新鮮だったため、本場韓国同様に人気を得たのでしょう


ドラマタイトルにある女官は、王様や王族の身の回りのお世話をするために、早ければ4〜5歳、遅くても15歳までの間、宮廷の仕事に慣れさせ、教養を身に付けます
入宮後35年を過ぎると、「尚宮」(サングン)の肩書きが与えられました。
ドラマでも尚宮(サングン)は、チャングムの人生の先輩として指導しています。
宮廷の料理部署は3つに分かれていました。
■生果房(セングァバン):食事以外の果物や伝統菓子を担当
■内焼厨房(ネソチュバン):王様の日常食作りを担当
■外焼厨房(ウェソチュバン):宴会料理の調理を担当
基本的に、王様の通常料理は女官が作り、宴会料理は「待令熟手」(テリョンスクス)と呼ばれた男性料理人たちの手で用意されました。
伝統的な韓国料理は、「薬食同源」の考えが基本です
「食べ物が薬」と考えられ、「食治」と言う言葉も生まれました。
また、王様が不調をきたしたときは、韓方食材を食事に取り入れ、さらには韓方を煎じて補薬としたのです。
王様の食事は、全国から集められた季節の素材を使い、王様のお膳である「水剌床」(スラサン)を調えました。
王様は、各料理を召し上がりながら、献上品の食材のでき具合をチェックしていたと言われています。
そして、王様がおいしいと賞賛した料理は、貴族の両班(ヤンバン)に伝わり、最終的に一般庶民に広まります
現在の韓国料理の原型は、朝鮮時代の宮廷料理にあります。
ここで、皆様にも比較的に分かりやすく、ドラマにも登場した宮廷料理をご紹介致します!
緑豆寒天の和え物(タンピョンチェ)
緑豆寒天を麺のように細く切り、牛肉やモヤシなど、5色の食材を混ぜ合わせたチャプチェのような一品。
朝鮮時代の21代国王と、22代国王の時代に、四党の争いを治めるための蕩平(タンピョン)策を講じました。
蕩平(タンピョン)とは、平等を意味し、当時は各党から公平に人材を登用して体制の安定を図りました。
タンピョンチェは、王様の想いが込められた一品です
宮廷トッポッキ
味付けはしょうゆがベース。
ナムルや牛肉など具だくさんで、現在のトッポッキとは別物です
屋台料理として浸透している辛いトッポッキは、朝鮮時代の宮廷が起源となっています。
当時の餅は高価だったので、庶民の口に入りませんでした。
ダイコンの水キムチ冷麺(トンチミククス)
蕎麦の麺にナシをたっぷりとのせて、さらに生のユズとザクロを浮かべる料理。
ダイコンの水キムチの汁が麺のスープとぴったりで、目と鼻でも楽しめる一品です
1873年に発刊された「宮中儀軌」(クンジュンイクェ)のなかで冷麺が紹介されました。
朝鮮時代の後期には、宮廷で食べられていたと見られます。
蒸しギョウザ(ポマンドゥ)
ポマンドゥは、小さなギョウザを集めて大きな皮で包み蒸す、豪華な蒸しギョウザ。
「ポ」は風呂敷を意味しており、福を包んだギョウザとして縁起の良い料理です
韓国では、焼きギョウザよりも蒸しギョウザが中心で、包み方や具材もバラエティに富んでいます。
もともとは、中国から北朝鮮に伝わり、宮廷でも出されるようになりました。
骨董飯(コルトンバン)
骨董飯の別名は、ビビンバ。
当時のビビンバは、キュウリ、キキョウの根、モヤシ、牛肉、干しシイタケと言った緑、白、黒の食材が盛り付けられました。
今ではコチュジャンを入れて良く混ぜてから食べますが、宮廷ではご飯に塩とゴマ油で味付けをし、きっちりかき混ぜることはなかったそうです。
チャングムで登場した料理は、唐辛子を使った料理がないので、日本人の口に合うと思います
さて、本日は、春雨を使わない「酢チャプチェ」をご紹介致します
もともとチャプチェは、春雨が入っていませんでした。
さっぱりとした前菜としてサラダ感覚で召し上がれますよ。
皆さんも、ぜひお試し下さい

入宮後35年を過ぎると、「尚宮」(サングン)の肩書きが与えられました。
ドラマでも尚宮(サングン)は、チャングムの人生の先輩として指導しています。

■生果房(セングァバン):食事以外の果物や伝統菓子を担当

■内焼厨房(ネソチュバン):王様の日常食作りを担当

■外焼厨房(ウェソチュバン):宴会料理の調理を担当

基本的に、王様の通常料理は女官が作り、宴会料理は「待令熟手」(テリョンスクス)と呼ばれた男性料理人たちの手で用意されました。
伝統的な韓国料理は、「薬食同源」の考えが基本です

「食べ物が薬」と考えられ、「食治」と言う言葉も生まれました。
また、王様が不調をきたしたときは、韓方食材を食事に取り入れ、さらには韓方を煎じて補薬としたのです。
王様の食事は、全国から集められた季節の素材を使い、王様のお膳である「水剌床」(スラサン)を調えました。
王様は、各料理を召し上がりながら、献上品の食材のでき具合をチェックしていたと言われています。
そして、王様がおいしいと賞賛した料理は、貴族の両班(ヤンバン)に伝わり、最終的に一般庶民に広まります

現在の韓国料理の原型は、朝鮮時代の宮廷料理にあります。


緑豆寒天を麺のように細く切り、牛肉やモヤシなど、5色の食材を混ぜ合わせたチャプチェのような一品。
朝鮮時代の21代国王と、22代国王の時代に、四党の争いを治めるための蕩平(タンピョン)策を講じました。
蕩平(タンピョン)とは、平等を意味し、当時は各党から公平に人材を登用して体制の安定を図りました。
タンピョンチェは、王様の想いが込められた一品です


味付けはしょうゆがベース。
ナムルや牛肉など具だくさんで、現在のトッポッキとは別物です

屋台料理として浸透している辛いトッポッキは、朝鮮時代の宮廷が起源となっています。
当時の餅は高価だったので、庶民の口に入りませんでした。

蕎麦の麺にナシをたっぷりとのせて、さらに生のユズとザクロを浮かべる料理。
ダイコンの水キムチの汁が麺のスープとぴったりで、目と鼻でも楽しめる一品です

1873年に発刊された「宮中儀軌」(クンジュンイクェ)のなかで冷麺が紹介されました。
朝鮮時代の後期には、宮廷で食べられていたと見られます。

ポマンドゥは、小さなギョウザを集めて大きな皮で包み蒸す、豪華な蒸しギョウザ。
「ポ」は風呂敷を意味しており、福を包んだギョウザとして縁起の良い料理です

韓国では、焼きギョウザよりも蒸しギョウザが中心で、包み方や具材もバラエティに富んでいます。
もともとは、中国から北朝鮮に伝わり、宮廷でも出されるようになりました。

骨董飯の別名は、ビビンバ。
当時のビビンバは、キュウリ、キキョウの根、モヤシ、牛肉、干しシイタケと言った緑、白、黒の食材が盛り付けられました。
今ではコチュジャンを入れて良く混ぜてから食べますが、宮廷ではご飯に塩とゴマ油で味付けをし、きっちりかき混ぜることはなかったそうです。
チャングムで登場した料理は、唐辛子を使った料理がないので、日本人の口に合うと思います

さて、本日は、春雨を使わない「酢チャプチェ」をご紹介致します

もともとチャプチェは、春雨が入っていませんでした。
さっぱりとした前菜としてサラダ感覚で召し上がれますよ。
皆さんも、ぜひお試し下さい

