こんにちは
料理家の野上優佳子です。
毎日寒い日が続きますね。
こんなときは、身体を温めてくれる根菜類が欠かせません。
1年中見かけるダイコンの旬も、実は冬。
みずみずしくて甘味のあるおいしいダイコンは、食卓でも大いに活躍してくれます
ダイコンは、別名スズシロ(蘿蔔、清白)とも言われ、春の七草のひとつにもあげられます。
ダイコンは、日本の食材の中でも、大変古くからあるもののひとつで、弥生時代には中国から日本に伝来したと言われています。
平安期に編纂された辞書である「和名類聚抄」(わみょうるいじゅしょう)にもその記述は見られます。
日本は白いダイコンが一般的ですが、例えばロシアなどは、皮の黒いものが一般的だったり、世界各国では白色以外のダイコンも食されています。
ダイコンと言えば。
わずか34歳で逝去した詩人、歌人の正岡子規は、食への関心がとても高かったことで有名ですが、ふろふきダイコンが大好物だったことでも知られています。
敬愛する与謝蕪村の命日に開かれた蕪村忌には、ふろふきダイコンをふるまったそうで、東京・根岸に残る正岡子規の家「子規庵」では、今も12月末にその慣習にならって蕪村忌が開かれ、来庵者にふろふきダイコンがふるまわれます。
ちなみに、私が住む杉並区のお隣、練馬区はダイコンの産地として有名。
その地名を配した「練馬ダイコン」は、江戸・元禄期からその栽培が行なわれていたそうです。
残念なことに、現在では契約農家が生産しているのみで、私たちの口に入ることは大変少なくなりました
ずっと、日本人の食生活に寄り添っているダイコン。
今回は焼きダイコンをご紹介します。
ダイコンステーキ、と言ってもよい1品。
煮物とは違ったおいしさが楽しめます