こんにちは、料理家の野上優佳子です
間もなく、10月。秋もいよいよ本番ですね。
新米や、栗やぶどうといった果物など、この時期でなければ食べられないおいしい物が並び、幸せこの上ない季節です
和風月名では「神無月」。
一説には、日本中の神々が出雲大社に集合するため、神がいなくなる月であることがその名の由来と言われます
これに付随して出雲地方は、10月を神が集まる月であるから「神在月」と言うのだとか。
実はこれ以外にも、収穫された新米で新酒が醸される時期であることから「醸成月」(かもなしづき)が本来であろう、という説もあります。
出雲大社に集まるという説はあとづけのようで、吉田兼好「徒然草」には「十月を神無月といひて神事にはばかるべきよしは、記したる物なし。本文もみえず。」とあり、根拠は不明と言われています
とは言え、各地方に根付く民俗信仰と結びつき、いつしか出雲大社に神が集まる説が定着したようです。
収穫のときでもあるこの時期は、「亥の子祭」や「十日夜」という行事も各地で行なわれ、秋の実りを祝って餅や団子、イモ、枝豆なども供えられます。
保存や備蓄、そして栽培能力が高くなった現代では感じにくくなってしまいましたが、ここから冬籠りに備え、1年でも最も豊かな食の季節を私たちは迎えています
さて今回は、今が旬のサツマイモと豚肉を使った煮物をご紹介します。
ちょっと意外かもしれませんが、お肉とお芋の相性の良さは、肉じゃがで実証済み。
サツマイモの甘みと豚肉の旨みが、なかなかの名コンビなのです。ぜひお試し下さい