こんにちは、料理家の野上優佳子です。
キッチンに常備している物はいろいろありますが、そのひとつにスパイスがあります。
インドネシアにあるマラッカ諸島は、別名Spice Island(香辛料諸島)。
16世紀から17世紀には、この島の良質なスパイスをめぐり、欧州の大国による戦争が起きた歴史があります
それほどスパイスは、大きな魅力で人々を魅了し続けています。
皆さんのキッチンには、何種類のスパイスがありますか?
味付けに使うこしょうや唐辛子、煮込み料理のときに使うローリエ、お菓子のときにはシナモン、和食の中にもわさびやショウガ。
普段あまり使わないという方でも、無意識のうちに多くのスパイスを使っていたりする、食生活にとても身近な存在でもあります。
スパイスには、様々な物語があります。
例えば、クミン。
細長い種子が利用されていて、独特の豊かな香りと少々辛みと苦みがあり、カレーパウダーの主原料のひとつでもあります。
地中海原産で、紀元前16世紀の医術書に、すでにその存在が記録されている程、古くから親しまれている香辛料です。
香りの成分クミンアルデヒドが消化器官を刺激して食欲を起こさせることから、古代ギリシャでは食欲のシンボルとして愛されました。
また、恋人が心変わりしないように、クミンシードをポケットに忍ばせる習慣もあったのだそう
ヨーロッパでは、パンやチーズ、お菓子の風味付けなどにも利用されます。
また、お肉との相性がとても良く、ちょっとした炒め物のエッセンスにもおすすめです
普段のカレーにちょっと加えるだけでも、ぐんと香りの良さがアップします。
今回はこのクミンを使って、エスニックの雰囲気漂う野菜のマリネをご紹介。
とても簡単にできるので、いつもと違うおいしさ、ぜひお試し下さい