こんにちは、料理家の野上優佳子です。
先日、学生以来十数年ぶりに太宰治の「津軽」を開いてみました
約3週間かけて青森へ帰省。
県内の各地で友人知人とふれあい、乳母の「たけ」を訪問して旅を終える紀行文です
その中で、太宰が友人N君の住む、青森市の隣、蟹田町を訪れた際に振る舞われるのが、「卵味噌のカヤキ」なる物。
成長したホタテ貝の大きな貝殻を鍋代わりにし、ネギやかつおぶしを入れて煮て、溶き卵を落とす「貝焼き味噌」と呼ばれる郷土料理を、お国言葉で表現した物です。
このホタテ貝、養殖技術が発達し通年出回っていますが、旬は冬から初春にかけて、まさに今がそのときです。
ホタテ貝は、別名扇貝(オウギガイ)、秋田貝(アキタガイ)とも呼ばれ、北海道から北東北でよく獲れます。
「ホタテ貝」の名は、膨らんでいる具肉が付いている貝殻の右を船体、平らな左を帆にし、まるで帆掛け船のように海上を千里も走るという伝説が由来なのだそう。
殻付きのホタテ貝をきれいに取り出すとき、私が使うのは専用の剥きベラですが、ないときはテーブルナイフでもOK。
手順としては貝殻の白い方(膨らんでいる方)を下にして持つ。
二枚貝の隙間にナイフを差し込み、表面の殻に沿うようにして小刻みにナイフを動かし、貝柱を外す。
貝殻を開き、貝柱が外れた方の貝を外す。
貝柱の底に差し込むようにして、もう一方の貝殻からも取り外す。
と、やってみれば結構簡単
ただし、イキの良いホタテにガブリと手をかまれることもあるので、お気を付け下さいね
さて今週は、ホタテの貝柱と水煮缶を使った、とても香り豊かな炊き込みご飯をご紹介します。
旬の今こそ、ぜひお楽しみ下さい