こんにちは。
料理家の野上優佳子です。
お散歩をしていると、緑が鮮やかで夏の香りをあちらこちらで感じることができます。
今日は夏至
1年で最も昼が長い日です。
そして夏至の11日目から七夕までを「半夏生」(はんげしょう)と呼びます。
半夏生は、田植えの終わりを告げるとき。
特に農作業をする人にとっては大切な日で、田の神を山に送り返す意味を持つ行事や、この日に畑に入ることを禁じる地域があります。食という面から見てみましょう。
代表的な物に「タコ」を食べる風習が関西地方にあります田植えを終え、その根がしっかりと広がって育つことへの願いが由来、と一説にあります。
福井県奥越地方では【半夏生鯖】
と言って、浜焼き鯖を1人で1本丸ごと食べる風習があります。
かつてこの地の殿様が、半夏生に人々の田植えの終わりを労って「脂ののった鯖を食べて精を付けると良い」とおふれを出したことが始まり、と言われています 。奈良県大和地方には【半夏生餅】と呼ばれる、小麦または全粒粉をこねた団子があります。
無事に田植えが終わったことを田の神に感謝して捧げた供物がルーツで、「さなぶり餅」とも呼ばれるそう。さなぶりは「早苗饗」と書き、田植えを終えた田の神(が山へ帰るの)を送る行事を意味する言葉です。
どれもが自然への感謝と、農作業を終える人への労いがその背景にあります。
厳しい夏の前に疲れた体を休め、栄養を付けて夏を乗り切る、そんな先人の知恵が詰まっているような気がします。
さて今回は、野菜がたっぷり入った夏らしい味わいのサッパリのり巻き「サラダ巻き」をご紹介します。
ニンジン、キュウリ、アボカド、スプラウトなど、たくさんの野菜が一度に食べられます。
ぜひお試し下さいね。