こんにちは、料理家の野上優佳子です。
ファッションやアート
、音楽
といった文化と同じく、『食
』にも流行があります。
これまでも、エスニックやイタめし(イタリア料理をかつてはこう呼んだのです!)
ティラミス、ベルギーワッフルなど様々な食の流行がありました。
記憶に新しいところでは「パンケーキ」ではないでしょうか。
2007年にオーストラリアの超人気店【bills】 が海外初出店として日本に上陸し、リコッタパンケーキの存在が注目されてから、一気にパンケーキブームが起こりました。
そして、国内外の多くのパンケーキ専門店が登場し、今もなお人気は続いています。
そのパンケーキの次にブームになると言われているのが「フレンチトースト」です。
もともとなじみ深い食べ物で、我が家でも朝食やお弁当の定番のひとつとなっています。
2012年にNYの人気店【Sarabeth's】のフレンチトースト が日本に上陸して以来、専門店もさらに増加し行列ができることもしばしばありますね。
しかし日本には、今よりずっと前から大変根強い人気を誇るフレンチトーストがあるのをご存じでしょうか。
それは、ホテルオークラ東京にある【オーキッドルーム】のフレンチトーストです。
1962年の開業当時からあるメニューのひとつで、数量限定のため事前予約が必要です。
第4代総料理長の根岸規雄氏の著書によれば、「分厚いパン を丸1日かけて じっくり卵液に漬け込み、
(略)熱しすぎないフライパンにバターとサラダオイルを少々入れ、弱火で15分かけて両面を焼く」そうです。
ちなみにこのフレンチトーストですが、実はテイクアウトができます(こちらも要予約)。
フレンチトーストのルーツは、フランスのpain perdu(パン・ペルデュ)と言われています。
もともとは固くなったパンのリメイクレシピで、卵・牛乳・砂糖を混ぜた物にパンを浸しバターで焼いて食べる物を指します。
残り物を入手しやすい食材で食べやすくする、と言うこのレシピの合理性がパン文化圏において支持され、愛されているのだろうと思います。
さて今回は、いつものフレンチトーストとはちょっと違うレシピをご紹介します。
『モッツァレラ・イン・カロッツァ』と言う、イタリアの家庭料理です。
甘くないためお食事になる一品で、とても気軽にできるのでぜひお試し下さい