こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
近年では交通の発達に伴い、首都ソウルで韓国全土の料理を食べることができます。
とは言え、郷土料理は地産地消の庶民の味ですよね。
私自身、時間を見つけては地方に出かけ、その土地の料理を味わうようにしています。
ここ数年は地方料理の魅力に取り憑かれたと言っても過言ではありません
唯一、朝鮮半島の北側を訪れることだけは難しいのですが、私の師匠が開城(ケソン)出身のため、昨年から今年にかけて平安道(ピョンアンド)の郷土料理を学ぶ機会に恵まれました。
平安道で一番有名な料理と言えば、「冷麺」が挙げられます。
1849年に出た書籍「東国歳時記」で、平安道の名物料理として紹介されています。
冷麺は、今でこそ韓国でもよく食べられていますが、朝鮮戦争をきっかけに北側に暮らしていた方たちが南に渡り、それに伴い冷麺が韓国全土に広まりました。
平安道料理の特徴は、全体的に薄味であまり辛くありません。
おいしくてボリュームがあることを重要視しています
気候が寒いため脂っこい肉料理が好まれ、牛肉、豚肉、鶏肉、きじ肉料理が豊富
冷麺は牛肉ベースのスープが定番ですが、平安道はきじ肉のスープを使うこともあります。
また、畑が多いので緑豆や大豆を使った料理もたくさんあります。
平安道にはクッパに似た「温飯(オンバン)」があり、これは、肉のクッパに緑豆のチヂミ(ピンデトク)をのせた物で、料理を仕上げるまでに、半日もかかります。
特に緑豆の下処理に手間がかかるので、もともとは王様や貴族の料理によく使う食材だったそうです。
緑豆チヂミは別名「貧者餅」とも言い、庶民の食べ物でもあったとも伝えられています。
韓国ではよく食べられている物で、かつ、上述以外で、平安道の代表的な郷土料理と言えば、スンデ(腸詰め)、コンビジ(つぶした大豆と豚肉の煮込み)、タッチュク(鶏粥)、コンクク(豆乳スープ)、薬食(ヤクシク)などがあります。
いつか本場で食べてみたい物ばかりですね
それでは、本日は平安道の郷土料理である「丸餃子」をご紹介致します。
餃子と名前が付いていますが、皮を使わず肉団子に小麦粉をまぶします。ふわっとした食感で、食べやすいですよ