こんにちは、料理家の野上優佳子です。 暑くなると 、さっぱりしたものが食べたくなりますね〜
そんなときに強い味方になってくれるのが、柑橘類。
今年上半期は、モロッコの定番調味料【塩レモン】も大変話題になりました。
みかんを始めとする生食向きの柑橘類の他に、料理を香りで引き立ててくれる物を【香酸柑橘】(こうさんかんきつ)と呼びます。
代表的な物と言えば、「柚子(ゆず)」「酢橘(すだち)」「香母酢(かぼす)」の3つ。
シークワーサーや先述のレモン、だいだいなどもこの部類に入ります。
日本の食文化において最も古い歴史を持つのが、 「柚子(ゆず)」。遣唐使が中国から持ち帰り、奈良時代にはすでに栽培が始まったと言われています。
皮の色が黄色に色づく冬の風物詩ですが、色づく前の美しい緑色をした「青ゆず」(写真右手)も9〜10月には出回り、この青ゆずの皮を柚子胡椒の原料にすると、色合いも香りも大変すばらしい出来栄えになります。
「酢橘(すだち)」は、3つの中では最も小ぶり(写真中央手前)。生産量を見るとほぼ90%が徳島県で作られていて、果実が熟す前の濃い緑色の状態で収穫されます。
爽やかな香りと酸味が特に強いのが特徴的。
すだちが持つ「スダチチン」という独自のポリフェノールに脂質の代謝を改善し、体重増加を抑制する効果がある、と言う研究結果が発表され、近年注目されています。
「香母酢(かぼす)」は、ゆずより少し大きいぐらいの大きさで、表面は緑色(写真左奥)。
こちらも熟すと黄色になります。
大分県が産地として有名で、その生産シェアは90%を超えます。ゆずやすだちに比べて、果汁の酸味が低く、甘みが高いのが特徴。かぼすに含まれるクエン酸やポリフェノールなどの成分が魚のブリの赤身部分の変色を遅らせる効果があるとして、地元大分県では2010年頃から「かぼすブリ」を養殖中です。
養殖ブリの餌にかぼすの粉末や果汁を加えて育てています。大分と言えば、関あじ・関サバブランドを抱えていますが、数年後に「かぼすブリ」が新ブランドとして注目されるかも!?
すだちやかぼすの露地物は、実は今がまさに旬
疲労回復などにも効果があると言われるクエン酸をたっぷり含んでいるので、夏バテしがちな今の体にもおすすめです。
さて、今回は、かぼすを使った『自家製ポン酢』をご紹介致します。お肉やお魚のソース、ドレッシング代わりにと大活躍しますよ。
ぜひお試し下さいね。