こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
旬を迎えた『牡蠣(かき)』は、韓国語では「パダウユ(海の牛乳)」と言います。
タンパク質や鉄分、亜鉛などのミネラル、ビタミンA、B、Cも含み栄養が豊富です
産地は慶尚南道(キョンサンナムド)のトンヨン(統営)。
牡蠣の養殖が盛んで、全国の8割の牡蠣を出荷しているそうです。
韓国の牡蠣は小粒で、旨味がぎゅっと詰まっています。冬になると、そんなおいしい牡蠣料理をたっぷりと味わうことができます。
新鮮な物はチョジャンをつけて生で頂きます。
チョジャンとは、酢とコチュジャンを混ぜ合わせたヤンニョム(たれ)のこと。酸味のあるピリ辛のたれは、牡蠣の味をぐっと引き立てるんですよ
牡蠣はキムチにも使います。
韓国にはポッサムキムチと言う豪華な食材を使ったキムチがあり、イカ、エビ、牡蠣などの海鮮を惜しげもなく使います。別名「王様キムチ」と言われる程贅沢な一品なのです。
加熱する場合は「牡蠣の炊き込みご飯」にするのが代表的です。
石釜でご飯を炊き上げ、生の牡蠣をのせて蒸らします。そして、しょうゆベースのたれをかけながら食べると、ご飯だけでも大満足できます
冬になると「牡蠣ジョン」がよく作られます。
「ジョン(煎)」は小麦粉に卵液を付け焼きした物で、チヂミのことです。チヂミは慶尚道(キョンサンド)の方言で、一般的には「ジョン」や「プッチムゲ」と言います。
ふっくらと焼き上がった牡蠣のジョンを口に入れると、旨みが広がり至福を感じます。ニラなどをたっぷりと入れると野菜とのハーモニーが楽しめます
また、スープにも良く使います。
例えばスンドゥブチゲに、牡蠣を入れると辛みの中にコクのある味わいが楽しめます。また、アミの塩辛で味付けしただけの辛みのないスープは、牡蠣その物の味が感じられるので牡蠣好きにはたまりません!
また、牡蠣はアルコールを分解するタウリンを含むため、二日酔いの解消にも効果があります。お酒を飲んだ翌朝は、牡蠣粥を食べると、肝臓にも胃にも優しくおすすめです。
さて、本日は『牡蠣クッパ』をご紹介します。
韓国でクッパと言えば、肉やもやしが多いのですが、牡蠣クッパは比較的新しい料理になります。味のポイントはアミ(オキアミ)の塩辛。旨みと塩味が同時に加わる便利な食材ですね。
もし、アミの塩辛がご自宅にない場合は塩で味を調えてみて下さい。