こんにちは!
韓国料理研究家の本田朋美です。
焼肉店に必ずあるサイドメニューと言えば、冷麺が挙げられます。
辛みの効いた混ぜ冷麺(ビビンネンミョンと、水冷麺(ムルレンミョン)の二種類がありますが、水冷麺は特に人気ですよね
ところで、水冷麺の本場をご存じですか?
朝鮮半島の北側で、平壌(ピョンヤン)が発祥です。混ぜ冷麺については、さらに北側の咸興(ハムン)というところです。
水冷麺は、夏場によく食べられますが、本来は冬の料理
トンチミという冬に漬ける水キムチの汁に、そば粉やでんぷんが主原料の麺を入れた物を、床暖房(オンドル)部屋で頂きました。
そして、朝鮮半島に南側に位置する釜山には「小麦麺(ミルミョン)」があります。冷麺とは似て非なる物で、細かい違いがいくつかあります。
冷麺の麺はそば粉を使っていますが、小麦麺は名前の通り小麦で作られています。
また、冷麺スープは牛骨や牛肉で取り、水キムチの汁が入りますが、小麦麺は豚骨や豚肉で、水キムチの汁は入りません
歴史的にみると、冷麺は1849年に刊行された書物「東国歳時記」に登場しました。
一方の小麦麺は歴史が浅く、1950〜1953年の朝鮮戦争で北から南へと避難した人たちが故郷の味を懐かしみ、釜山で手に入る食材で作った物です。
日本には盛岡冷麺がありますが、これは釜山の小麦麺に近いですね。盛岡冷麺を考案された方も韓国のご出身で、故郷の味を思い出して作り上げ、盛岡で生まれたことから、その名前が付きました。今では、盛岡冷麺も日本に随分と浸透しましたよね。
その土地の産物を活用して麺料理。機会があったら、色々と召し上がってみて下さいね。
さて、本日のレシピは『小麦麺』です。麺は盛岡の物を使いました。ますます寒くなる季節ですが、暖房の効いた部屋で頂けば格別ですよ