こんにちは、料理家の野上優佳子です。
今年はなんだか春がなく、冬から一気に夏になってしまったようなお天気でしたね。
ここ数年は毎年、「春がない」「秋がない」と言っている気がします
しかし、肌で季節を感じる場面が少なくても、食で季節を感じられる場面は多いです
例えば、青梅はまさに、今だけ楽しめる食材。
梅はバラ科サクラ属落葉高木の果実で、中国原産(湖北省または四川省など諸説)ですが、英では「Japaneseapricot(ジャパニーズ・アプリコット)」と呼ばれています。
ちょうど季節は梅雨時を迎え、夏バテする前に体を休めたい頃。
こんなときこそ梅の出番です。
梅の実には、疲労回復や免疫力をアップさせるβ(ベータ)カロテンが含まれていて、同じく体を元気にしてくれる有機酸(クエン酸やリンゴ酸など)も豊富です
雨が多く、お出かけのチャンスが減って自宅でゆっくりできる時間が増える今、ぜひ保存食を作ってみてはいかがでしょうか
梅の実と言うと、紀州の南高梅が有名ですね。
肉厚で皮が薄く、まさにブランド梅です。
しかし、この品種以外にも古城(こじろ)や加賀白梅などがあり、甲州小梅など、カリカリとした食感の小粒の梅干しでおなじみの品種などがありますので、そんなに値がはらないのに十分梅の香りや味わいを楽しむことができる梅が、他にもたくさんあります。
味わいはお好みですが、一般的に梅酒などは青い物、梅干しなどは黄色く熟した物を選ぶのがおすすめです。
ただし、青梅を買っても、放っておくと黄色く熟していきますのでご注意を。
また冷蔵庫で保存すると低温障害で変色してしまうので、購入したらすぐに加工しましょう。
水に浸けてアク抜きし、ヘタ部分を取り除いて、きちんと水気を拭いて密封袋に入れれば冷凍保存ができます。
冷凍した物は漬ける際に皮が破れやすくなりますが、その分漬ける時間がぐっと短縮されるので、あえて凍らしてから梅を漬ける方もいるのですよ。
さて今回は、手頃なお値段で購入できる小梅を使って、自家製の梅シロップをご紹介します。
水やソーダで割ったり、ドレッシングの隠し味にしたり、用途は様々です。
豊かな味わいをぜひお試し下さいね。